百貨店大手のエイチ・ツー・オーリテイリングは、傘下の阪急阪神百貨店が来年3月に福岡市のJR博多駅ビルに開業する「博多阪急」について、初年度売上高370億円を目標とすることを明らかにした。店舗面積は4万2000平方メートルで、総投資額は200億円となる。
福岡市内では天神地区に百貨店が集積しており、年商は一番店の岩田屋が877億円(2011年3月期予想、久留米店含む)、博多大丸が648億円(同、長崎店含む)、福岡三越が366億円(同)となっている。博多阪急の開業によって天神地区の既存百貨店がどれだけ影響を受けるかが注目される。
博多阪急では1次商圏を福岡市内の約140万人、2次商圏を福岡中心部から30キロメートル圏の約240万人と想定しているが、来年3月には九州新幹線が鹿児島まで全線開通するため九州全域からの集客も期待される。
地下1階の食料品売場では、大阪の「阪神名物 いか焼」や地元福岡の「博多一皿寿司」、佐賀の「唐津バーガー」などご当地グルメを集めた「阪急うまか食堂」、料理教室やセミナーなどを開いて食に関する情報を提供する「博多阪急うまか研究所」などを設置する。