マーケティング調査会社の富士経済によれば、2010年の国内化粧品市場の規模は前年比1.4%減の2兆1503億円(メーカー出荷額ベース)で、3年連続の前年割れとなりそうだ。ただ、インターネット通販の急成長で無店舗販売は1.6%増の4821億円に伸びる。逆に店舗販売は1兆6682億円で2.2%の減少が見込まれる。
チャネル別のシェアでは、09年に化粧品店・薬局・薬店を抜いて3位となった通販が今年は量販店も追い抜き、ドラッグストアに次ぐ2位となりそう。シェアはトップのドラッグストアが27.9%、通販が13.2%、量販店が12.9%、化粧品店・薬局・薬店が11.7%の順となる。
最大チャネルのドラッグストアは単価下落の影響などで10年の市場規模が0.5%減の5989億円と2年連続マイナスの見込み。通販は5.1%増の2838億円、量販店は2.3%減の2780億円と予測される。スーパーなどの量販店は価格訴求力の強いドラッグストアなどに市場を奪われ、10年以上縮小傾向が続いている。高級品主体の百貨店も08年秋以降の世界的な景気後退で需要が落ち込み、今年は4.2%減の1829億円にとどまりそうだ。