投資ファンド傘下で経営再建中のラオックスは、中国の家電量販店最大手である蘇寧電器と業務支援提携を結ぶと発表、日本の上場小売業として初めて中国企業の傘下に入ることが決まった。
ラオックスは7月24日開催予定の臨時取締役会を経て、8月3日に蘇寧電器およびラオックスのフランチャイズ加盟店の一つである日本観光免税(旧・上海新天地、本社・大阪市)に対する第3者割当増資を実施する。蘇寧電器は約8億円(引受先は孫会社のグランダ・マジック)、日本観光免税は約7億円で新株を引き受ける。また、同時に2社に対して無償で新株予約権の発行(行使価額1株20円)も行い、株式に転換された場合(行使期間は2010年1月15日~2013年1月14日)、4億円を調達する。新株予約権がすべて行使されると、蘇寧電器はラオックスの発行済み株式の29.33%を保有する筆頭株主に、日本観光免税は25.67%の株式を握る第2位株主となる。
ラオックスは8期連続の最終赤字を計上しており、店舗の大幅削減によって過去2年間で売上高は400億円にまで半減しているが、2009年3月期も125億円という巨額の最終赤字が続いた。今後は蘇寧電器と共同仕入体制を構築し、売れ筋商品の相互供給やプライベートブランド商品の共同開発などを通じて営業の立て直しを図る。
蘇寧電器の売上高は約6500億円(4989万元)、営業利益は約390億円(296万元、共に2008年12月期)で、積極的な出店により2年で売上高を1.6倍に拡大させ、中国小売業として最大手の座に着いた。