北九州市を地盤とする食品スーパーの丸和は10月22日、私的整理の一種である事業再生ADR(裁判外紛争解決)の手続きが成立したと発表した。これによって、すでに発表されているとおり、来年5月をもって丸和は同業の親会社、ユアーズ(広島県海田町)に吸収合併され、福岡証券取引所への上場は廃止となる。
丸和は2010年1月期まで2期連続で営業赤字を計上するなど経営が危機的状況にあるため、ユアーズと連名で事業再生ADRの手続きを進めてきたが、3回目の債権者会議が行われた22日、全取引金融機関から事業再生計画案への同意を得たという。
有利子負債約250億円のうち60億円は債務の株式化によって負債を軽減、残りの190億円は金利減免などの支援を受ける。経営責任を明確化するため丸和の根石義浩社長は退任、11月1日付で実兄の根石紀雄氏(49歳)がユアーズ社長と兼務で社長に就任する。
丸和はリストラの一環として昨年11月から今年9月末までに14店舗を閉鎖したが、11月中にはさらに山口県長門市と北九州市の2店舗を閉鎖する。
合併後のユアーズは広島、山口、福岡の3県を中心に約80店舗、売上高700億円強の規模を持つ食品スーパーとなる。