小売業世界２位のカルフール（フランス）は、タイからの事業撤退に伴う店舗資産の売却先を本国フランスでのライバル企業カジノのタイ子会社、ビッグCに決定した。売却金額は８億6800万ユーロ（約998億円）。
カルフールは中国やブラジルでの事業展開に経営資源を集中するために、タイ、マレーシア、シンガポールの３ヵ国からの事業撤退を表明、今年９月から入札を実施するなどして資産売却先を検討していた。
ビッグCはカルフールがタイで運営する42店舗（うち34店舗がハイパーマーケット）を譲り受けることになる。譲渡契約は来年３月までに完了する予定。カルフールのタイでの売上高は７億2300万ユーロ（約830億円、2010年６月期）で、食品小売業としては第５位。
一方、ビッグCはタイ国内で69店舗のハイパーマーケットを展開しており、年商は17億ユーロ（約1950億円）となっている。
カルフールからの店舗資産取得に関しては、英テスコや日本のイオンも名乗りを上げていたと報道されている。マレーシア19店舗、シンガポール２店舗の売却先はまだ決定していない。