長らく低迷を続けていた米カジュアル衣料チェーン最大手、ギャップの業績が改善した。同社が発表した2009年第3四半期(8~10月)の純利益は前年同期比25%増の3億700万ドル(約276億円)となり、07年第1四半期以来の増益となった。売上高は1%増の35億9000万ドル(約3230億円)だった。
業績改善に貢献したのは、低価格ラインの「オールド・ネイビー」の売り上げ増と在庫圧縮による粗利益率の改善。消費者の低価格志向の高まりを受け、オールド・ネイビーの第3四半期の売上高は既存店ベースで前年同期比10%伸びた。「ギャップ」は7%減、「バナナ・リパブリック」は6%減、海外店舗は6%減といずれも既存店は前年割れだったが、オールド・ネイビーの健闘で会社全体の既存店売上高は前年同期比横ばいとなった。
同社は在庫圧縮に力を入れており、第3四半期の店頭在庫を前年同期に比べて9%減らした。その結果、値下げ販売が減ったことなどもあって粗利益率は前年より3.8ポイント改善して、42.5%となった。
同社は現在、増えすぎた店舗網を縮小、既存店活性化に傾注しており、2010年1月期中に50店舗を新設する一方、100店舗を閉鎖する計画。この結果、総売り場面積は前期比で2%減る見込みだ。
同社の店舗数は10月末現在で、3143店舗(海外店舗329店を含む)となっている。