米カジュアル衣料専門店大手アバクロンビー&フィッチは12月15日、東京・銀座にアジアで初となる店舗をオープンした。「アバクロ」の愛称で日本の若者たちにも親しまれる同ブランドは、H&MやZARA(ザラ)など先行して日本に進出した世界的カジュアル衣料チェーンに比べて値段はやや高め。その分、“セレブ御用達”としての高いブランドイメージを保っていたが、昨年来の消費低迷のなかで価格の高さが敬遠され業績が急落。米国内ではブランドイメージが陳腐化したこともあり、海外に成長機会を求めている。
2009年第3四半期(8-10月)にはイタリアのミラノで「アバクロ」の旗艦店をオープンしたほか、「Hollister(ホリスター)」ブランドの店舗を英国のショッピングセンター内に2店新設。第4四半期(09年11月-10年1月)は欧州で「ホリスター」5店を追加出店する。
10年2月以降には、日本の福岡とデンマークのコペンハーゲンで「アバクロ」旗艦店を出店する計画だ。09年10月末時点での店舗数は、米国内が「アバクロ」347店、「ホリスター」509店など計1108店(アバクロ・キッズを含む)、海外がカナダ、英国、イタリアの3ヵ国で「アバクロ」5店、「ホリスター」13店など計19店となっている。
また、同社の09年2-10月期の業績は米国内店舗の極端な不振で、営業損益が8430万ドル(約76億円)の赤字、売上高は前年同期比20.3%減の20億2599万ドル(約1823億円)となっている。既存店ベースの売上高は09年2-11月の累計で26%減で、衣料品専門店のなかでも売上の落ち込みが際立っている。