富士経済の調べによると、2022年の国内Eコマース(EC)市場(物販のみ)は前年比7.6%増の13兆5927億円になりそうだ。スマートフォンを使ったモバイルECを中心に市場が一段と拡大する。
ECの受注はパソコン経由が長らく過半数を占めていたが、21年はスマホ経由がパソコンを上回り過半数を占めた。商品カテゴリー別の21年のEC市場規模は、家電製品・パソコンが3.4%増の2兆7344億円、アパレルが7.7%増の2兆2470億円、コロナ禍によって内食需要が拡大した食品・生鮮品は11.3%増の1兆9824億円となった。
内食需要の拡大を背景にネットスーパーの市場も2ケタのペースで拡大している。21年のネットスーパー市場は15.4%増の2470億円だった。22年も12.1%の2770億円と2ケタの伸びが続きそうだ。全国規模の大手スーパーだけでなく、地方スーパーの参入が増えていることも市場拡大につながっている。
ECやネットスーパーを含む通販市場全体では、22年の市場規模は6.6%増の15兆4263億円になりそう。カタログ通販は0.6%減の1兆1308億円と縮小が続く見通しだが、テレビ通販は1.2%の微増の6134億円と予測される。
22年の通販市場全体に占めるECの割合は88%まで上昇することが見込まれる。カタログやテレビ、ラジオでもECへの送客を図る動きが見られ、EC比率の上昇を後押ししている。