カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は14日の決算記者会見で、原材料価格の高騰の影響について「50%アップなどになれば今の価格は不可能」と述べ、今年の秋冬物や来年の春夏物の一部商品を値上げする可能性を示唆した。
柳井氏はまず「今の日本の経済情勢から考えると安易な値上げはできない」と強調。消費者が価格に敏感なことも踏まえ、既に値上げした商品はごく一部と説明した。その上で、利益が出なければ成長できないとの認識を示し「考えに考え抜いた価格なら理解してもらえると思う」と話した。
ウクライナに侵攻したロシアでの事業停止は、世間の批判に押されて決断したとみられている。柳井氏は店頭への物流や紛争の状況を見極めていたと説明。判断のタイミングは「遅れてはいない」と釈明した。
2022年2月中間連結決算は、純利益が前年同期比38.7%増の1468億円。欧米や東南アジアが好調で、中間期として過去最高を更新した。国内のユニクロは新型コロナの感染拡大に伴う物流の混乱で冬物の売れ筋商品に欠品が相次いで伸び悩んだ。