[ニューデリー 21日 ロイター] – インド消費者問題省は21日、電子商取引サイトでのフラッシュセール(割引商品のタイムセール)を禁止する案を発表した。また、これらのプラットフォーム上で関連会社を販売業者として掲載することも禁止する。
電子商取引事業を巡るこれらの規制強化案は、米アマゾン・ドット・コムや、米小売大手ウォルマート傘下の印インターネット通販フリップカートに打撃となる可能性がある。
これらの企業を巡っては、複雑な事業構造を利用してインドの法律を回避しているとの苦情が、実店舗を展開する小売企業から出ている。
アマゾンとフリップカートはインドの法律を全て順守していると主張している。アマゾンは21日、規制案を精査しているところだとし、コメントはないと述べた。フリップカートはコメント要請に応じていない。
業界関係者や法律専門家は今回の規制案について、フリップカートやアマゾンがインドの電子商取引市場で利用している事業構造に影響を与える可能性があると指摘している。
ロイターが2月に確認した複数の内部文書では、アマゾンがインドで長年、少数の大手販売業者に低い手数料を提示するなどしてプラットフォーム上で優遇してきたことが浮き彫りになった。アマゾンはプラットフォーム上で売上高の高い一部業者の間接的な株式を保有しているが、優遇措置は取っていないとしている。
アマゾンとフリップカートは外資投資規制の対象でもあるが、今回の規制案がそれに優先するものになるのかは明らかではない。
規制案はインド企業と海外企業の両方が対象で、7月6日まで意見を募る。同案は「国内製品の公正な機会を確保するため」、消費者が購入する前に代替品の提案を行うことも企業に求めている。
ある電子商取引企業の幹部はこの案について、電子商取引事業の構造を基本的に変える非常に破壊的なものだという見方を示した。