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アマゾンがアイロボット買収を断念 市場からは賛否両論の理由 

米アマゾン(Amazon.com)による米アイロボット(iRobot)の買収計画が撤回された。2022年8月に合意していた買収案件が、当局から承認される見通しが立たなくなったためだ。これに先立ち、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会が、市場競争を阻害する懸念があるとし、買収を阻止する方針を固めたと報じられていた。その一方で市場からは企業の規模や収益性を理由に買収を阻止すべきではないといった批判もある。

「消費者、競争、イノベーションにとって損失だ」

アマゾンがアイロボットの買収を断念した

 アマゾンは24年1月29日、ロボット掃除機「ルンバ(Roomba)」などで知られるアイロボットを、総額約17億ドル(約2600億円)で買収する計画を断念したと発表した。同社は声明で、「EUの競争当局から承認を得られる道がなく、当社とアイロボットが共同で前進することが阻止された。消費者、競争、イノベーションにとって損失だ」と述べた。

 アイロボットは米マサチューセッツ州ベッドフォードに本社を置く企業である。コリン・アングル氏が、マサチューセッツ工科大学(MIT)の人工知能(AI)研究所の同僚らと共同で1990年に設立した。同社がルンバの初代機を発売したのは2002年のこと。その20年後には家庭用ロボットの累計販売台数が世界で4000万台を突破した。アイロボットはルンバのほかにも床拭きロボット「Braava(ブラーバ)」やプログラミングロボット「Root(ルート)」などの開発・製造も手がけている。

 アマゾンによるアイロボット買収計画は、音声アシスタント「アレクサ(Alexa)」搭載端末の「エコー(Echo)」や、傘下の米ホームセキュリティー企業リング(Ring)などの製品ラインアップに人気ロボット掃除機を追加するものだった。これにより、AIやIoTを活用した家電事業の強化を狙っていた。

欧州委「ロボット掃除機市場で競争阻害」

 だが、欧州委は

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