服を売らないリアル店舗「似合うラボ」を、ZOZOが経営戦略の軸に置く重大な理由

中原 海渡 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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ZOZOの経営戦略の肝となる「似合うラボ」

店舗入り口
店舗入り口

 似合うラボは、ZOZOが掲げる経営戦略「MORE FASHION × FASHION TECH 〜 ワクワクできる『似合う』を届ける ~」を実行するための取り組みとなる。ZOZOは似合うラボを出店することで、「買う」というプロセスよりもさらに上流の部分にアプローチしたいという。最終的には「ファッションを『買う』ならZOZO」から「ファッションの『こと』ならZOZO」への進化をねらう。

 2023131日に行われた20233月期第3四半期の決算発表では、ZOZO代表の澤田宏太郎氏は以下のように述べていた。

 「今後はたとえば『季節の変わり目』といったタッチポイント(顧客と企業との接点)にZOZOが深く関わっていきたい。そのために必要なのは、お客さまに似合う服を提案できようになること。お客さまの好みや悩み、カウンセリングや提案内容といったデータの積み重ねがEC上の提案にき、消費者の購入機会の増加や新しい購買体験につながる」(澤田氏)

 決算発表では、「『似合う』というテーマをここまで愚直に研究している企業はない」と自評しながらも、ZOZOにとって「似合う」はまだ研究段階にあると説明した。今後は、似合うラボで得たデータや経験をZOZOTOWN」やファッションコーディネートアプリ「WEARといった既存サービスかしたい考えもあるそうだ。

 最後に「『似合う』が伸びしろのある領域であることは確信している」と前向きに語った。

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記事執筆者

中原 海渡 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

神奈川県出身。新卒で不動産仲介業の営業職に就き、その後ライター/編集職に転身。

2022年10月に株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。ダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集部記者として記事執筆・編集を行う。

趣味は音楽鑑賞(ポップス/ロック)と、最近はレコード&カセット収集。フィジカルメディアが好きで、本も電子書籍より実物派。

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