アマゾン、第3四半期は利益半減 コスト増が年末商戦の業績圧迫も

ロイター
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米アマゾン・ドット・コムが28日発表した第3・四半期決算は、純利益が約50%減少した。2018年4月撮影(2021年 ロイター/Abhishek N. Chinnappa)

[28日 ロイター] – 米アマゾン・ドット・コムが28日発表した第3・四半期決算は、純利益が約50%減少した。減益は米国で新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が始まって以降で初めて。

インターネット通販事業が減速する中、人手不足などによるコスト増加が年末商戦と重なる第4・四半期の業績に影響を及ぼす可能性があるという。決算発表を受けて株価は時間外取引で4%下落した。

第3・四半期の純利益は31億6000万ドル。

売上高は1108億1000万ドルと、前年同期の961億5000万ドルから増加した。リフィニティブのまとめたアナリスト予想の1116億ドルは下回った。

クラウドコンピューティング事業の「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」は堅調に推移し、売上高が161億ドルに増加。伸びが加速し、アナリスト予想を上回った。

アンディ・ジェシー最高経営責任者(CEO)は声明で、コンシューマー部門では輸送コストや人件費の増大、人手不足に対応するために数十億ドルの追加費用が発生する見通しとし、「年末商戦期に顧客や販売パートナーへの影響を最小限に抑えるために必要な措置を講じる」と強調した。

2013年の年末商戦期には、配送の遅れで一部顧客にクリスマスまでに商品が届かないという事態が発生している。

第4・四半期については、営業利益が0─30億ドルとなり、前年同期の69億ドルから減少すると予想。売上高は1300億─1400億ドルになると見込んでいる。アナリスト予想は1420億5000万ドル。

アマゾンの業績は過去1年好調を維持してきたが、人手不足の問題などに直面している。労働市場が逼迫する中、同社は物流施設で働く従業員の平均賃金を引き上げ、人材を確保するために契約時に払う一時金も増やしている。

ブライアン・オルサフスキー最高財務責任者(CFO)は決算後の電話会議で労働力不足が従業員の配置などに影響したと説明した。

従業員関連コストに加え、インフレなどへの対応で20億ドルの追加コストが発生したとし、今四半期に追加コストは40億ドルにまで膨らむとの見通しを示した。

アマゾンは、世界的なサプライチェーン(供給網)の問題にも直面しており、配送パートナーとのプログラム拡充や物流施設への投資拡大などで対応しているが、それに伴うコストも膨らんでいる。

ハーグリーブス・ランズタウンのアナリスト、ニコラス・ハイエット氏は、アマゾンは顧客のために多額の投資を行ってきたと評価し、「短期的な利益を犠牲にしても長期的な成功を期待して投資する姿勢は今回の結果にも表れている」と述べた。

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