ビオセボン、オンラインストアの好調支える「SNSマーケティング」とは

若狭 靖代(ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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カギを握るSNSマーケティング

 では、ビオセボンはオンラインストアに集客し売上をあげるためにどのようにSNSマーケティングを活用しているのだろうか?
ビオセボンが情報発信のため、とくに積極的に使用しているのがインスタグラム(Instagram)だ。フォロワーは約6万人(21年7月末)。最近は週1000〜2000人ペースでフォロワーが増加しているという。ビオセボン同様出店地域が限られている他SMのアカウントの多くが数千人程度のフォロワーに留まるなか、これは驚異的な数字だ。フォロワーは実店舗のある地域だけでなく全国に散らばっており、「いつかは店舗に行ってみたい、商品を買ってみたいという思いでインスタグラムを眺めてきたユーザーも多い」と同社広報担当者は話す。

ビオセボンのインスタグラムトップ。商品紹介や新店舗などの情報だけでなく、さまざまなライフスタイルの提案が行われている

 インスタグラムなどのSNSには、公式情報の発信だけでなく、商品を購入したユーザーがアレンジレシピやライフスタイルを自ら発信することで、広範囲に情報が伝播されるという効果がある。従来、店舗のない地域にもビオセボンのフォロワーが多く存在したのはまさにこの効果によるものだ。SNSから導線を繋げやすいオンラインストアの開設で、「憧れの商品をやっと手に入れた」ユーザーが情報を発信し、さらに購入の輪を広げていくSNSはビオセボンにとって極めて重要な存在といえるだろう。

好調な滑り出し、今後のサービス改良にも期待

 6月24日の「ビオセボンジョイナス店」オープンに際し、同社岡田尚也社長はオンラインストアについて、「まだ大々的に広告などを打っていないにも関わらず、オープン半月で想定していた売上を1週間でクリアする順調な滑り出し。今後、一つの事業として注力していく」と語った。

 現在オンラインストアで取り扱いのない生鮮食品、冷凍品に関しても、今後はメーカーや生産者からの直送モデルなどを通じた取り扱いを検討しているという。ただし、当日中など消費期限の短い総菜に関しては今後もオンラインストアで取り扱う予定はない。また現在、会員向けに行っているポイントサービスは、店舗とオンラインで別サービスとなっているため、今後一本化を検討していく。

 6月、7月には続けて4店舗をオープンするなど精力的にその勢力を拡大しつつあるビオセボン。同社が強みとするSNSマーケティングと、オンラインストアの今後の盛り上がりに注目だ。

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