[北京 16日 ロイター] – 中国人民銀行(中央銀行)は16日、デジタル人民元のクロスボーダー決済を検討するほか、国際通貨システムの発展に向けたデジタル不換通貨に関するグローバル基準の設定について議論する意向を示した。
ウェブサイト上で発表した白書で、デジタル人民元の運用試験を着実に推進すると指摘。国内試験を進めるにあたり、データセキュリティーと個人情報保護を強化するとした。ただ、デジタル人民元の発行時期は定めないとした。
デジタル人民元は主に国内の小売店での支払いに使用されるが、国境をまたぐ決済に用いる試験プログラムも検討しているという。
国際決済の試験を行う際には中国と相手国の通貨主権を尊重し、関係国の法律を順守する形で行われると説明した。
また「国際通貨システムの発展を共同で推進するために、デジタル不換通貨に関する国際的な意見交換に積極的に参加し、基準設定について議論したいと考えている」とした。
デジタル人民元が金融政策や金融システム、金融安定に与える影響について調査を深める方針も示した。
暗号資産(仮想通貨)について、ほとんどが投機に使用されており、金融の安全性を脅かしていると指摘した。またマネーロンダリング(資金洗浄)などの違法な経済活動に使われる恐れがあると警告した。