【特別対談】小さくても勝てる!ネットスーパーの成功条件とは? スーパーサンシ高倉照和常務×10X矢本真丈CEOが徹底討論!(後編)

2020/11/19 05:59
ダイヤモンド・チェーンストア編集部

実店舗の重要性は不変も売場の姿は変わっていく

――ネットスーパーの市場が拡大するなか、SMの実店舗が持つ意義はどのように変わっていくのでしょうか。

高倉 店舗が運営されている商圏では、店舗のブランドが地域の消費者に浸透しています。店舗のブランド力を利用して、ネットスーパーでも商品を販売するというのが常道でしょう。つまり、店舗の売上にネットスーパーでの売上が上乗せされるという事業構造です。
基本的に、店舗とネットスーパーでは、客層が異なります。商圏内に競合店が出店すると、店舗の売上には多少の影響がありますが、ネットスーパーの売上にはほとんど影響がみられません。

矢本 店舗は消費者との距離を縮めてくれる存在です。食品という特性上、消費者は、馴染みがあり、信頼する購買チャネルから商品を購入しようとします。生活圏に店舗があれば、消費者がこれを認知し、店舗に出向いて実際に買物をして購買体験を評価したり、買って食べてみて商品の品質を知ることができます。ネットスーパーへのシフトが進むとしても、このような基本的な消費行動はおそらく変わることはないでしょう。

高倉 店舗はネットスーパーの物流拠点としても重要な役割を担います。将来的には、ネットスーパーの売上比率が店舗を上回り、「ネットスーパーで販売されている商品が店舗でも購入できる」といった買物スタイルに変わっていくかもしれません。

矢本 そうかもしれませんね。「ネットスーパーを展開するならば、実店舗を持つことが望ましい」のは、ほぼ結論として示されています。これまで店舗のみで展開していたSMが、店舗とネットスーパーの双方を運営するようになるという流れが今後も基本になっていくと思います。SMの店舗は、従来、来店客がセルフサービスで商品をピッキングするのに最適なレイアウトで設計されていますが、今後は、店舗での販売とネットスーパーの物流拠点としての役割を両立させることを想定して設計されるようになるでしょう。

――最後に、今後日本のネットスーパー市場において、お二人はどのような価値を創造していきたいとお考えですか。

高倉 日本各地の食文化を長年支えてきたのは、地域に根ざしたローカルSMです。地方での人口減少に伴い、ローカルSMの店舗事業を取り巻く環境がますます厳しくなるなか、ネットスーパーを新たな収益基盤として成長させることが求められています。スーパーサンシは、約40年にわたって培ってきた宅配サービスのノウハウを「ネットマーケット」を通じて積極的に共有し、ローカルSMのネットスーパー事業の持続的な成長をサポートしていきます。外資や大手のEC企業の攻勢からローカルSMを守り、彼らの地元に広がる“ネットスーパー商圏制圧”のお手伝いをしていきます。ネットの世界は“先取り総取り”の世界です。

矢本 小売企業がオンラインでも商売でき、消費者がオンラインでいつでも便利に買い物できる環境を整えることが10Xの役割です。ネットスーパー基盤サービス「ステイラー(Stailer)」は、ドラッグストア(DgS)やコンビニエンスストア(CVS)といった他の小売業態でも応用できるとみています。まずはネットスーパーでの導入実績を着実に積み重ね、より多くの小売企業から信頼される存在になりたいと考えています。

「ネットマーケット」について詳しくは http://sanshi.jp/
10Xの「ステイラー」について詳しくは https://stailer.jp/

 

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