3月以降受注件数急増!アマゾン生鮮宅配の次なる拡大の打ち手
トアマゾン・ドット・コム(Amazon.com)の日本法人、アマゾンジャパン(東京都/ジャスパー・チャン社長:以下、アマゾン)が生鮮食品のECサービスを拡大させている。コロナ禍による巣ごもり消費の活発化を追い風に売上が急増、生鮮食品の購買チャネルとして存在感を強めている。国内小売がこぞってネットスーパー強化に向けて動き出すなか、“ECの巨人”はどのように生鮮ECを拡大させようとしているのか──。
ライフとの協業が大阪でもスタート!
プライム会員なら「Amazonフレッシュ」の都度利用も可能に
アマゾンは現在、有料会員向けの「Amazonプライム」のサービスの一環として、大きく2つの生鮮ECサービスを展開している。
1つが生鮮食品や加工食品、総菜、飲料、日用品などを注文から最短当日に配送する「Amazonフレッシュ」。もう1つが、食品スーパー(SM)大手のライフコーポレーション(大阪府/岩崎高治社長:以下、ライフ)の店舗で販売している生鮮食品や総菜、パンなどを取り扱う即時配送サービス「Prime Now(プライムナウ)」だ。
前者の「Amazonフレッシュ」では、ウェブサイトや公式モバイルアプリ「Amazonショッピングアプリ」から商品を注文し、最短当日から最長28日先まで(現在は指定可能な期間を一時的に制限)の8時から24時の時間帯で配達日時を指定すると、指定した住所に商品が届く。
同サービスの強みは、生鮮食品や日配品、冷凍食品、総菜、ミールキットといった豊富な品揃えを競争力のある価格で提供している点、品質の高い配送サービスで、スピーディに顧客へ商品を届けられる点だ。
生鮮食品を中心に、食品の鮮度や品質にこだわっているのも同サービスの特徴で、川崎フルフィルメントセンター(神奈川県川崎市)内にあるAmazonフレッシュ専用の物流拠点では食品の性質や季節に合わせた最適な6つの温度帯で保管するなど、独自の食品安全管理体制に基づいて徹底した品質管理を行っている。
この「Amazonフレッシュ」は2017年4月の開始当初は月額税込500円(以降すべて税込)の「Amazonフレッシュ会員」のみが利用でき、注文ごとに配送料500円(注文金額が6000円以上の場合は無料)を課金していた。
だが、より多くのAmazonプライム会員がこのサービスを柔軟に利用できるよう、19年9月に利用プランを改定。Amazonプライム会員であれば、配送料390円(注文金額が1万円以上の場合は無料)を支払えば、最低注文金額4000円以上で「Amazonフレッシュ」を都度利用できるようになった。これに伴い、Amazonフレッシュ会員は最低注文金額を4000円と定めたうえで配送料が無料となった。
2020年3月以降、受注件数が急増
20年8月現在、Amazonフレッシュは東京都・神奈川県・千葉県の一部地域を対象にサービスを展開している。
「Amazonフレッシュの受注件数は、19年9月の料金プラン改定から20年2月にかけて堅調に伸びた後、新型コロナウイルス感染拡大に伴い3月以降は急増している」
そう話すのは、アマゾンのPrime Now/Amazonフレッシュ事業本部で事業本部長を務める荒川みず恵氏だ。急激な需要拡大を受け、アマゾンは
DCS Report の新着記事
-
2024/10/03
大手小売が今後、クレカ国際ブランドから離脱していく“意外な”理由とは -
2024/10/02
ワークマン、機能の格付け導入が「競合に負けない仕組み」になる理由 -
2024/10/02
無印良品、初の木造店舗と出店戦略 SM隣接店に手ごたえ、1000店体制へ -
2024/09/18
トライアル、上場後初の通期決算 大幅増収増益の要因は出店拡大と… -
2024/09/05
イオン、物流改革が新フェーズ「福岡XD」が稼働開始 -
2024/09/05
日本小売も熱視線! 急成長するベトナム市場
この連載の一覧はこちら [239記事]
アマゾン,ライフの記事ランキング
- 2024-09-25独自調査で判明!食品スーパー、市場規模&市場占有率2024
- 2024-09-25週刊スーパーマーケットニュース カスミ、「BLΛNDE」錦糸町に都内初出店
- 2024-09-19アマゾンのドローン配送が拡大フェーズへ!認可された「目視外飛行」とは?
- 2024-09-184年ぶりに復活、鮮魚を強化!ライフ吉祥寺駅前店の売場づくりを徹底解説
- 2023-04-17首都圏SM4社が食品物流で連携 4つの取り組みとめざす「踏み込んだ形」とは
- 2024-09-21アマゾンの成長減速の一因がシーイン、Temu の躍進だと言える理由
- 2023-05-15ライフコーポレーション岩崎高治社長インタビュー 売上1兆円400店に向けた戦略とは
- 2024-03-09ストアオブザイヤー2024、2位に入ったのはベルクのあのDS業態!?
- 2024-10-05次世代型「AIショッピングアシスタント」とは
- 2019-06-14年商50億円超!ライフの巨艦店「セントラルスクエア押上駅前店」の現在・前編
関連記事ランキング
- 2024-09-25独自調査で判明!食品スーパー、市場規模&市場占有率2024
- 2024-10-02無印良品、初の木造店舗と出店戦略 SM隣接店に手ごたえ、1000店体制へ
- 2024-09-25週刊スーパーマーケットニュース カスミ、「BLΛNDE」錦糸町に都内初出店
- 2024-09-18トライアル、上場後初の通期決算 大幅増収増益の要因は出店拡大と…
- 2024-09-19アマゾンのドローン配送が拡大フェーズへ!認可された「目視外飛行」とは?
- 2024-09-184年ぶりに復活、鮮魚を強化!ライフ吉祥寺駅前店の売場づくりを徹底解説
- 2024-09-04生産者、小売と直接つながり急成長する青果市場
- 2022-08-09経営幹部の意見を一蹴!Z世代の声からつくった「キラキラドンキ」が絶好調の理由
- 2024-10-03大手小売が今後、クレカ国際ブランドから離脱していく“意外な”理由とは
- 2024-09-21アマゾンの成長減速の一因がシーイン、Temu の躍進だと言える理由
関連キーワードの記事を探す
市場規模が13.5兆円を突破!通信販売市場規模&市場占有率2024
アマゾンのドローン配送が拡大フェーズへ!認可された「目視外飛行」とは?
48兆円市場の各社のシェアがわかる!食品小売、市場規模&占有率2024!
セブンナウVSローソン コンビニデリバリーの勝者はどっちだ?
コロナ後も堅調! ミールキットのパイオニア、ヨシケイの現在地