関東に初進出したトライアルのスマートストアの革新性とは?

松尾 友幸 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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トライアルホールディングス(福岡県/永田久男会長)傘下のトライアルカンパニー(福岡県/石橋亮太社長:以下、トライアル)は7月3日、千葉県千葉市にある「スーパーセンタートライアル長沼店」(以下、長沼店)を改装オープンした。本拠地である福岡県を中心に、九州地方の店舗を続々とAI搭載のカメラやタブレット付きのカートなど最新のデジタルテクノロジーを駆使した「スマートストア」に転換している同社。長沼店は、関東地方で初のスマートストアとなる。

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福岡・佐賀でスマートストア化を加速

スーパーセンタートライアル長沼店
スーパーセンタートライアル長沼店
Retail AI永田洋幸社長
Retail AI永田洋幸社長

 トライアルは、2018年2月に出店した「スーパーセンタートライアルアイランドシティ店」(福岡県福岡市:店舗面積約1200坪)を皮切りに、続々と新規出店および既存店改装でスマートストアの展開を拡大している。主力の店舗面積1000~1500坪タイプの店舗だけでなく、同年12月には夜間無人営業を実現した小型店業態の「トライアルQuick大野城店」(福岡県大野城市:店舗面積約300坪)を出店。翌19年4月には食品、衣料・家電・住居関連品などをフルラインで揃えた大型店「メガセンタートライアル新宮店」(福岡県新宮町:店舗面積約3600坪)を出店している。さらに同年11月には「スーパーセンタートライアル田川店」(福岡県田川市:店舗面積約1500坪)を改装オープンしており、21年中に福岡・佐賀の約60店舗をスマートストア化する計画を打ち出している。

 そんな同社が関東地方で初めてスマートストア化したのが長沼店だ。トライアルホールディングス傘下でスマートストアに関するAIのシステム開発などを行うRetail AI(東京都)の永田洋幸社長によれば、周辺のほかの既存店の建物構造が多層階型だったため、スマートストアの設備を導入しやすい平屋型の長沼店を選んだという。予定では4月に改装を終える計画だったが、新型コロナウイルスの影響でスマートストアの設備導入が遅れ、このタイミングでのリニューアルとなった。

 今回トライアルがスマートストア化した長沼店は、JR総武本線「稲毛」駅からバスで約20分の場所にある。同店から半径2㎞圏内には1万8842世帯/4万5901人が居住しており、世代別人口比率では30~40代がボリュームゾーンとなっている。競合店としては、「ロピアワンズモール店」「マミーマート稲毛長沼店」「イトーヨーカドー四街道店」「MEGAドン・キホーテ四街道店」などがあり、競争は激しい。

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記事執筆者

松尾 友幸 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

1992年1月、福岡県久留米市生まれ。翻訳会社勤務を経て、2019年4月、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。流通・小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属。主に食品スーパーや総合スーパー、ディスカウントストアなど食品小売業の記者・編集者として記事の執筆・編集に携わる。趣味は旅行で、コロナ前は国内外問わずさまざまな場所を訪れている。学生時代はイタリア・トリノに約1年間留学していた。最近は体重の増加が気になっているが、運動する気にはなかなかなれない。

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