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公取委、巨大IT企業の取引実態で報告書 取引慣行改善へ

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公正取引委員会は独占禁止法・競争政策上問題となる恐れのある取引慣行などを浮き彫りにすることで、その改善につなげたい考えだ(2019年 ロイター)

[東京 31日 ロイター] – 公正取引委員会は31日、デジタル・プラットフォーマーと呼ばれる巨大IT企業の取引慣行などに関する実態調査報告書を取りまとめた。問題点の指摘が多いオンラインモールとアプリストアの取引において、独占禁止法・競争政策上問題となる恐れのある取引慣行などを浮き彫りにすることで、その改善につなげたい考え。

例えば、運営事業者による一方的な規約変更により利用者に不利益を及ぼす場合には、独禁法上の優越的地位の濫用となる恐れがあることから、運営事業者は変更内容を事前に説明することなどが望ましいとしている。

また、運営事業者がその立場を利用して得た取引データを自社の直接販売に利用するなどの行為は、競争者に対する取引妨害等になる恐れがあるとし、データの利用の有無や利用する場合の目的や範囲、アクセス条件などを利用事業者や消費者に明示することが必要だとしている。

このほか、検索アルゴリズムを操作することなどで自社を優遇していないかなども取引慣行の問題点として取り上げられた。

調査は「オンラインモール運営者」と「アプリストア運営事業者」、それを利用して出品する事業者との間で行う取引について、国内外の8つの運営事業者と85の利用事業者に対して実施した。

公取委では「独占禁止法上問題となる具体的な案件に接した場合には、引き続き、厳正・的確に対処していく」方針。