限られた面積で新たな顧客体験を提供するVRショールームを活用せよ!

2019/07/22 05:00
兵藤雄之

テクノロジーの進化は、店舗を武装化する。「販促・マーケティング総合展【夏】」の場でもさまざまなテクノロジーによる提案がなされていた。今回はそこの取材で得られた新たな取り組みについて紹介しよう。

Photo by Nastasic from iStock
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誤差僅少の超音波ビーコンでお客をおもてなし

 GMOクラウドが展開する「Diversity Insight for Retail」は、独自のAI分析技術で実店舗の来店客タイプと行動を分析するツールだ。いまや、AIカメラを使って来店客分析を行うツールは珍しくないが、同社の場合、来店客のファッションをもとに、男女それぞれ30パターンほどのライフスタイルに分類し、好みの傾向や行動を特徴づけることが可能であり、そこから陳列や仕入れ、販促活動を最適化できるという。

 「ライフスタイル分析の精度は7割程度。現在の男女各30パターンだが、間もなく、それぞれ100パターンほどになる予定だ」(同社担当者)

 なお同社では、193月、関西のスーパーマーケットにおいて「POPの大きさによる販促の効果検証」も行っている。

イーソニックの指向性超音波ビーコンの場合、精度は誤差1m以内で「3次元」の識別も可能
イーソニックの指向性超音波ビーコンの場合、精度は誤差1m以内で「3次元」の識別も可能

 次にビーコン技術を活用した新たな集客策。いまから数年前のことになるが、ビーコン技術を使った位置情報により、店舗内の売場案内や売場のそばを通ったときにクーポンを発行するといった応用例がたびたび提案されていた。しかしいまに至るまで、残念ながらビーコン活用によるそうした実例に出会ったことがない。展示会の場をはじめ、同じような事例を見かけると必ず確かめるようにしている。

 今回はイーソニック(東京都/中山哲治社長)の展示ブース「指向性超音波ビーコン」を発見、「ビーコンを応用した提案が実用化されないのはなぜなのか」を聞いてみた。

「従来のWi-FiBluetoothを使ったビーコンは位置情報としての精度があまり高くないうえ、床や壁を認識できないため、隣の部屋でも、フロアが違っていても、同じ位置として識別してしまい、誤った位置情報を与えてしまうという欠点があるからだ」(中山社長)

 その点、同社の指向性超音波ビーコンの場合、精度は誤差1m以内で「3次元」の識別も可能。自動車のコーナーセンサーに使われている技術のライセンスを受けて展開しているもので、歩行者の歩行速度や検知率についてもすでにノウハウが蓄積されており、名古屋のセントラルパークにある地下駐車場において、歩行者のナビゲーションシステムとして実証実験を行ってもいる。

「ただし、超音波ビーコンの場合、広い店内で常時誤差1m以内の精度を出すためには至るところにビーコンを設置しなければならず、コストや手間を考えると現実的ではない。Wi-FiBluetoothを使ったビーコンで近い位置まで誘導し、ピンポイントの場所では超音波ビーコンを使うといった組み合わせでの利用が現実的かもしれない」(同)

 ちなみに今回の展示では、ゴッホとモナリザの前を通ったときに説明が流れる仕組みになっていた。

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イオンモール、ゆめタウン、アリオも導入する“呼び出しベル”がある

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