[東京 14日 ロイター] – 日銀の池田唯一理事は14日、都内で行われたフィンテック・フォーラムで講演し、企業の決済と商品取引の流れである商流に関するデータの活用について、「大きな潜在力が秘められており、様々な領域で企業活動の発展へとつながっていく可能性がある」との見解を示した。
具体的には、財務会計の効率化にとどまらず、「企業経営の高度化」にも有効活用が可能と指摘。経営戦略の策定やビジネスリスクの特定など「より高い経営判断が求められる分野においても、決済・商流データを活用できる余地が生まれてくるかもしれない」と語った。
また、金融機関も決済・商流データへのアクセスを確保することで、「取引先の資金ニーズに対して、より機動的できめ細かな対応が可能になるかもしれない」と述べた。
一方、決済・商流データには「個別の取引に関わる重要な情報が含まれている」とし、オープン化にあたっては「不正対応やシステムの頑健性などの面で、決済の安定性が十分確保される必要がある」などの課題も挙げた。
(伊藤純夫 編集:田中志保)