ファッションECで圧倒的な存在感!楽天ファッションが影響力を高めた理由とは

油浅健一
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Rakuten Fashion Week TOKYOの意義

 『Rakuten Fashion Week TOKYO』について、Rakuten Fashion立ち上げ時に、楽天グループ代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は次のように語っている。

 「『Fashion Week TOKYO』の冠スポンサーとして『Rakuten Fashion Week TOKYO』を開催する以上、その名に恥じないよう、サイトのUX/UIを含め、洗練された、東京ファッションを代表するようなサイトにしていきたい」

 楽天は、日本のファッションブランドを支援するプロジェクト「by R」を通して、「UNDERCOVER」「TOMO KOIZUMI」「ANREALAGE」など国内人気デザイナーズブランドのショー開催を支援している。これらのブランドはプロジェクトの一環としてRakuten Fashionにも参加、限定商品の販売などを実施している。

 日本屈指のECモールが、アパレル側に歩み寄りながら売場を洗練する。ZOZOTOWNとは異なるアプローチで、アパレルECと向き合ったことが、急速に影響力を持つようになった要因であることは間違いないだろう。

楽天グループのリソースはアパレルECに多大なメリット

 ファッション業界にとって、楽天グループの魅力は甚大だ。特に楽天ポイントは使い勝手に優れる。楽天市場本体では「ポイ活」が浸透するほど、楽天経済圏に不可欠な施策。これが、出店するアパレルメーカーにとっては、なんとも都合のよい販促施策となる。

 値引きでなく、ポイントの付与。お得感を与え、購買を促しながら、ブランド価値は毀損しないのだから、アパレルメーカーにとってこれほど理にかなった販促施策はない。

 楽天市場が保有する膨大なユーザーデータ、そして、そこから弾き出される購買パターンが活用できることも大きな魅力だ。「DXだ」と意気込み、自社データを活用しようとすれば、多大なコストと時間を要する。十分なリターンが得られる保証もない。国内屈指のECモールとして培ったノウハウを活用できるとなれば、そのメリットは計り知れない。

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