「デジタル化と小売業の未来」#18 日本の小売企業が大手ECモールと競合しないための戦略

望月 智之 (株式会社いつも 取締役副社長)
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日米の決定的な違いが“突破口”に

 面倒と感じるかどうかは、距離や時間の掛け算によって決まります。とくに日本の都心部では近場でなんでも揃い、短時間で必要なものをすべて入手することができます。一方、米国では最低でも1~2時間が当たり前です。そのため、米国の方がより面倒の度合いが強いのです。これは、日本が米国に比べてEC化率が低い要因の1つでもあります。日本は、買物までの距離や面倒くさいの基準が海外と比較すると低い国なので、米国に比べてEC化率がそこまで上がらないのです。

国土が狭く、身近で必要なものが手に入りやすい日本では、EC化率が低い傾向にある

 これは、消費者の生活や行動範囲に入り込んで店舗の利便性を追求していくことで、大手ECモールとの差別化につながるチャンスでもあります。

 「ユーザーが感じる面倒」に立ち向かうためには、利便性や買物習慣に正しくフィットすることが最も強い戦略と言えるでしょう。そして、その戦略を実行するためには、店舗とECを分けて考えるのではなく、いかにリアルとデジタルを融合させてユーザーの利便性を高めることができるかが大きなポイントとなるでしょう。

 

プロフィール

望月智之(もちづき・ともゆき)

1977年生まれ。株式会社いつも 取締役副社長。東証1 部の経営コンサルティング会社を経て、株式会社いつもを共同創業。同社はD2C・ECコンサルティング会社として、数多くのメーカー企業にデジタルマーケティング支援を提供している。自らはデジタル先進国である米国・中国を定期的に訪れ、最前線の情報を収集。デジタル消費トレンドの専門家として、消費財・ファッション・食品・化粧品のライフスタイル領域を中心に、デジタルシフトやEコマース戦略などのコンサルティングを手掛ける。
ニッポン放送でナビゲーターをつとめる「望月智之 イノベーターズ・クロス」他、「J-WAVE」「東洋経済オンライン」等メディアへの出演・寄稿やセミナー登壇など多数。

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