アマゾン広告収入、規模がユーチューブ超え 世界の新聞業界並み

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2月3日、米アマゾン・ドット・コムは、自社の広告事業の規模を初めて公表し、収入がグーグルの「ユーチューブ」を上回ることが明らかになった。写真はフランスのボーヴで2018年8月撮影(2022年 ロイター/Pascal Rossignol)

[ニューヨーク 3日 ロイター] – 米アマゾン・ドット・コムは3日、自社の広告事業の規模を初めて公表し、収入がグーグルの「ユーチューブ」を上回ることが明らかになった。

アマゾンは第4・四半期の広告収入が前年比32%増の97億ドル、通年では310億ドルだったと公表。ユーチューブの2021年広告収入は288億ドルだった。

アナリストのベネディクト・エバンス氏はツイッターで、アマゾンの広告収入は世界の新聞業界全体と同規模だと指摘。スタティスタは世界の新聞年間広告費を295億ドルとしている。

電子商取引で知られるアマゾンは好調なクラウド事業「AWS」を展開しており、広告事業は非常に利益率が高いとみられているが、同社はその利益額を公表していない。

ウェブサイトや一部自社タブレット端末の画面に掲載される広告は、ユーザーの検索クエリを利用して広告対象が絞り込まれている。これら広告はアマゾンのマーケットプレイスに出品する企業によるものが多い。

ハーグリーブス・ランズダウンの株式アナリスト、ソフィー・ランドイエーツ氏は「デジタル広告スペースの販売は不確実性の高い時代において現金を生み出すためにあると助かるものだ」と述べた。

メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)は2日、アップルのプライバシー規約変更が広告主に影響を及ぼしたと指摘し、オンライン広告業界に影を落としたものの、アマゾンの関係者は記者団に対し、アップルの変更後も、さまざまな広告機能を通じた消費者へのリーチ能力は「ほぼ変わっていない」と述べた。

ランドイエーツ氏はアマゾンの広告事業について、検索システムを通じて同様に独自の顧客情報を抱えるグーグルの親会社アルファベットと比較しても遜色ないと見ており、アップルの規約変更による影響は少ないとした。

アマゾンの広告収入の伸びは、第2・四半期の88%から減速している。しかし、全体の収入規模は同じく3日に好調な業績を発表した画像共有サイトのピンタレストや写真・動画共有アプリを展開するスナップよりも大きくなっている。

ピンタレストの第4・四半期売上高は8億4670万ドル、スナップは13億ドルだった。

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