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「高質の定義とは何か?」

石川県能登地方を本拠に14店舗の食品スーパーを展開する山成商事(店舗名:どんたく)の山口宗大社長は、2016年に社長に就任した際、こう自問自答したという。

 

業態の垣根を超えた競争が激化するなか、とくに中小規模の食品スーパー(SM)では価格訴求から価値・品質訴求にシフトする動きが目立つ。価格面では大手SMやドラッグストア、ディスカウントストアに到底太刀打ちすることはできず、高質の商品やサービスを提供することで差別化を図ることが唯一の対抗策になるからだ。

 

もっとも、「高質」を謳うのは簡単だ。質の良いものを揃えて売れば、「高質SM」の称号は手にすることができる。

しかし、山口社長はもう一歩踏み込んで考え、山成商事としての「高質」の定義づけを試みた。そして導き出したのが、①専門性、②話題性、③地域性の3つの柱だ。

 

①専門性については、高質の商品を販売するだけでなく、深い見識をベースに仕入れルートを開拓したり、お客に提案したりできる従業員の育成。②話題性については、最新のトレンドをいち早く捉えた商品政策の導入。最後の③地域性については、地元メーカーとのオリジナル商品の共同開発や地域貢献事業の積極化。

 

これら3つの柱それぞれのクオリティを上げ、地域から圧倒的な支持を受ける、「小さくとも強い」店づくり、組織づくりを行っていく考えだ。(y)