いなげやの成瀬直人社長が約5年前、店舗開発担当者に課したという命題だ。
かつて食品スーパーは、SSMの出店をはじめ店舗を大型化させることで多くの来店客を集める戦略をとってきた。しかし、少子高齢化で国内人口が減少するなか、これからは小売側が人の集まっているところに店を出していかねばならないという方針だ。
そして7月27日(金)、その命題を最も具現化したという新店「いなげや飯田橋店」をオープンした。JR・地下鉄「飯田橋」駅から北へ歩いて約5分。ホテルやマンションなどが入る複合施設「飯田橋ガーデン」の1階に出店している。
売場面積は298坪と小型ながら、取り扱い品目は1万を超える。ビジネス街に立地することから、昼食ニーズの取り込みをねらい総菜売場を強化。オープンキッチンで出来たてを訴求するほか、税抜100円均一のインストアベーカリーと、約30席のイートインも備え「限られた面積のなかで可能な限り提案をした」(松金潤店長)という。
開店日に開催された記者会見で成瀬社長は「今後も都内に300坪サイズの店舗を積極的に出店していきたい」と言及。飯田橋店で試行錯誤を重ね、都心部立地の店舗における品揃えや売場づくりに磨きをかけていく考えだ。(O)