怒りをあらわにしながら語るのはジェイグループホールディングス(愛知県)の新田治郎社長。同社は、外食産業の事業会社を傘下に抱え、2017年11月には「博多かわ屋」をフランチャイズ展開する「かわ屋インターナショナル」(福岡県)を子会社化した。名物商品は、「かわ焼き」で1人のお客が10本注文するのが普通だ。
「みんなが同じ1品を食べにくる専門店です。1本つくるのにトリ2羽分の首の皮が必要で串巻き作業には熟練した方でも1本当たり2分30秒を要します。それだけに付加価値の高い商品になっています」(新田社長)。その結果、客単価は4000円と高く、業績も好調だ。
ただ、ここにきて大きな問題として急浮上してきたのが営業時間だ。「当社は16時~17時開店、23時~24時閉店が標準。しかし、ショッピングセンターに入居してしまうと、自由に開閉店ができません」。だからほとんどの既存店はショッピングセンターからの退店を決めた。
そうでなくとも居酒屋は外食産業の中では人手の集まりにくい業態。しかし、深夜営業はせず、自社で営業時間を決め、短時間営業・短時間労働にすることで、この難局を切り抜けようとしている。(C)