原文では、「What to be remembered for ?」とある。
私なりに意訳してみると、「(君は)他の人と何が違うのか?」ということになる。
こんな質問を投げかけられた場合、「私は私であり、私の道を行くから、興味ない」という方もいるだろう。
それは、個人の考えだから、仕方のないことだ。
しかし、企業の場合は、そうはいかない。
とくに、どの業態(=フォーマット)内もが同質飽和化状態に陥っている小売業界にあって、今後、何をもって差別化を図っていくのかは、火急の課題である。
ところが、そんなことを考えている小売企業は案外少ない。その結果、同質飽和の泥沼とレッドオーシャンから抜け出すことができないでいる。
オーバーストア下にある流通業界の中で、何が大事かといえば、企業のアイデンティティである。
それこそが、ドラッカー教授の言う「何をもって」ということになる。
今、企業のトップは、「何をもって」をちゃんと決め、方針や理念として従業員にしっかり伝えることが求められている。それができなければ、やがては小売業界のどこかに埋もれてしまうことになるはずだ。(C)