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「足し算で大きくなっても意味はない」(アークス社長 横山清)

 昨年12月26日、アークス(北海道)、バローホールディングス(岐阜県)、リテールパートナーズ(山口県)の3社が業務資本提携を締結し、「新日本スーパーマーケット連盟」の立ち上げを発表した。同日、東京都内で急遽開かれた記者会見において、アークスの横山社長は冒頭の言葉を繰り返した。

 

 今回の電撃提携の引き金となったのは、昨年10月に発表されたイオンによるスーパーマーケット(SM)事業の再編だ。横山社長は名前こそ出さなかったものの、「我が国最大の流通企業が中期計画で現状分析を行った。(それについて)自戒しているなか、長年接点のあった2社(バローHD、リテールパートナーズ)とご縁があった」と明かしている。全国6地域で5000億円規模のSM事業会社をつくり上げるというイオンの壮大な計画に、横山社長は危機感を募らせていたようだ。

 

 今回の提携に際して3社はまず、「既存領域の強化」として地場商品や産地情報の共有、資材備品などの共同購入、店舗開発などのノウハウの共有、「次世代に向けた取り組み」としてカード事業や金融・決済事業、スマートストアの共同研究などを挙げている。

 

 当面は売上高3兆円規模をめざして参加企業を増やしていく考えだが、「M&AはMind&Agreement(心の一致)」と横山社長はこれまでも幾度となく示してきたM&Aの考え方をこの会見でも強調。同じ方向、同じ考え方で一致団結できる仲間を列島横断で募りながら、目まぐるしく変化する流通業界を戦っていく。(y)