耐震偽装問題が明らかになった、2005年の「姉歯事件」。事件を通じて一般にも知られるようになったのが「構造計算」という専門用語である。構造計算とは、建物が災害などにどこまで耐えられるかを確認するための計算で、科学的に耐震性を評価することである。
この構造計算、じつは二階建て木造住宅ではほとんど行われていないという。建築基準法で義務付けられておらず、構造計算をしなくても違法ではないからである。
地震の多い日本で構造計算の重要性を説くのが、「無印良品の家」の開発・販売を手がけるMUJI HOUSE専務取締役の田鎖郁男氏である。無印良品の家は強度や断熱性、簡素なデザインをひたすら追求した住宅である。ムダをそぎ落とした無印良品の住宅版といえる。もちろん、構造計算を行っている。
無印良品の家はここ数年、徐々に増えている。MUJI HOUSEの受注棟数は、4年前から2倍近く伸びて2018年度は400棟近くに達する見込みだ。(S)