このように話すのは、宮城県地盤のスーパーマーケット(SM)、ウジエスーパーで常務取締役を務める吉田芳弘氏だ。
同社は2010年から、「TQM(Total Quality Management:総合的品質管理)活動」を取り入れている。TQM活動とは、グループあるいは個人単位で取り組む継続的な改善活動のことで、SM大手のアクシアルリテイリング(以下、アクシアル)がほかの小売業に先駆けて取り組んできたのは「ダイヤモンド・チェーンストア」誌でも度々記事にしている。
アクシアルと同様にTQM活動を「経営の根幹」に据え、日々の改善活動に取り組むウジエスーパー。ただ、同社はアクシアルのTQM活動をそのまま導入するのではなく、自社の企業文化にあわせて独自にアレンジししている。アクシアルのTQM活動が各グループ、個人でテーマを設定しているのに対し、ウジエスーパーでは全社共通の目標に向かって改善活動を行っているのはその一例だ。
「当社は確かにアクシアルさんから勉強させていただいてるが、独自の進化もしている。歴史を遡れば、日本のSMは米国の模倣である。模倣のなかでどのように独自性を発揮していくかが重要だ」(吉田常務)。優良企業のよいところを取り入れ、独自の進化を遂げるーー。このような機動的な経営が可能なのは間違いなくローカルSMの強みである。(小野)