老朽化店舗の隣接地に新設! 「ヨークベニマル原町西店」開店日レポート
ヨークベニマル(福島県)が10月31日、福島県南相馬市に「ヨークベニマル原町西店」(以下、原町西店)をオープンした。同敷地内にあった旧店舗をスクラップ、その隣接地に新設するかたちで出店。初年度の年商目標は19億4000万円と、地域では有数の繁盛店となることが見込まれる。開店日の模様をレポートする。

老朽化店舗の隣接地に新設!
10月31日にオープンした「原町西店」は、JR「原ノ町」駅から直線距離で約1.6kmの場所にある。
南相馬市は福島県の東部、「浜通り」と呼ばれる地域に属しており、いわき市と仙台市のほぼ中間に位置する。東日本大震災後、復旧工事で一時的に市内の人流が増えたものの、現在はその影響は一巡。市の最新人口は約5万4000人となっている。
原町西店は、10月12日に一時休業した旧店と同じ敷地内、駐車場だった場所に出店した。旧店は1983年に「フジコシスーパーセンター」として開店。2008年より「ヨークベニマル」として営業していた(オープン当時の運営会社は藤越。2010年にヨークベニマルが吸収合併している)。建物老朽化に伴い、隣接地に同名の新店をオープンした格好だ。旧店の建物は今後スクラップし、同敷地内にテナントが入る商業棟が新たに建設予定だという。

旧店は売場面積約1200坪の大型店で衣料品を扱っていたものの、今回オープンした新店舗は食料品のみの扱いとなる。売場面積は旧店の食品売場とほぼ同規模の約700坪。旧店では取り扱いが少なかった総菜、冷凍食品など大きく拡大し、ヨークベニマルの最新の商品政策(MD)を導入した。
売場では総菜を中心に新コーナー・新商品もいくつか導入している。平台の一角では、新コーナー「コリアンデリ」を設置、チヂミやヤンニョムチキン、チャプチェなどを集めている。

寿司コーナーでは、トマトで色付けしたシートで野菜やカニカマなどを巻いた新感覚巻き寿司「彩り野菜とカニカマのサラダロール」を新商品として投入した。

洋食メニューを集めた「自社製ソース&バーグ」では、新商品「自社製デミグラスチーズソースハンバーグ」を発売した。

米飯では、照焼きチキン、メンチカツ、フランクフルト、目玉焼きがセットになった「スペシャルグリルプレート」を新たにラインアップしていた。

そのほか生鮮3部門を含めた売場の様子は、12月1日発売の『ダイヤモンド・チェーンストア』で詳報する。
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9月より親会社のヨーク・ホールディングス(東京都)が米ファンドのベインキャピタル傘下に入り、新体制となったヨークベニマル。新体制下では既存事業の見直しを進めており、毎月恒例の販促「いち・に・さんの市」で3000円購入ごとに配布していた「クーポン300円券」を8月末で終了した。
ヨークベニマルの大髙耕一路社長は「300円券終了の影響は大きいが、クーポンに頼らずとも利益をあげていける体制をつくりたい」と述べる。2026年2月期中間決算では増収を果たすも、営業減益となった同社。下期以降は、過度な価格訴求は控え、単品管理を徹底することで収益性改善をめざす考えだ。
また、今春から一部店舗で実施していたラストワンマイル配送サービスも終了している。「収益性を考えての判断だが、基本となるのはやはり店。強みとするインストア加工・製造に集中し、お客さまにお店まで足を運んでいただけるようにならねばならない」(大髙社長)。採算性を理由に自社工場で製造していたミールキットの販売を終了するなど、商品面の見直しも進行中だという。
自社の原点に立ち返り、商品・サービスの磨き上げにアクセルを踏み込んだヨークベニマル。クリスマスに年末年始とスーパーマーケットにとってのビッグイベントが控える下期に巻き返しを図ることができるか。
(店舗概要)
所在地 福島県南相馬市原町区南町4-7-2
開店日 2025年10月31日
営業時間 9:00~20:00.
店長 塩沼隆史
売場面積 2332㎡
構造 鉄骨造・平屋建て
駐車台数 99台
年商見込 19億4000万円(初年度)
従業員数 144人(正社員24人、地元採用者120人)






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