進化と強化を続けるデジタル販促「Shufoo!」
ユーザーとメーカーを結び、ユーザーを店舗へ誘導!

凸版印刷(東京都/金子眞吾社長)が運営する電子チラシサービス「Shufoo!(シュフー)」は、2001年のサービス開始以来、掲載企業数およびユーザー数ともに伸長を続けている。スマートフォン(スマホ)普及というデジタルデバイスの変化をいち早く捉えた対応と、次々と展開される新サービスの取り組みについて、メディア事業推進本部 副本部⻑⻲卦川篤に話を聞いた。

スマホの普及によって
消費者の手にチラシを届ける

 

亀卦川篤氏
凸版印刷 メディア事業推進本部 副本部長 亀卦川篤氏

 2001年のShufoo!立ち上げ時は、印刷された紙チラシをスキャニングすることでデジタル化し、ASPによって流通各企業のホームページ(HP)で見ることができるというデジタル化のトライアルのような形であった。ASPと並行して、ポータルサイトであるShufoo!もスタート。現在は、約3800企業の11万以上の店舗のチラシを配信しており、利用者数も月間1100万人以上にのぼる国内最大級の電子チラシサービスとなっている。

 

 この成長のきっかけとなったのが、2011年のビジネスモデル変更である。それまでは、PCを利用して、電子チラシを閲覧する比率が高く、ASPによる企業HPの利用比率が高かった。この傾向を打破し、ポータルサイト「Shufoo!」でチラシを閲覧してもらうことで、各店舗へ送客できるビジネスモデルであるポータルメディアビジネスへと大きく舵を切った。

 

国内最大級の電子チラシサービス「Shufoo!」
国内最大級の電子チラシサービス「Shufoo!」

 

 後押しをするように、PCからタブレットやスマートフォン(スマホ)へとモバイル化がはじまった。このデジタルディバイスへの変化に素早く対応し、Shufoo!アプリのダウンロードが開始された。スマホの拡大とともにPV数も拡大し、現在では月間で3.8億PVを突破している。「17年かけて、主婦層にここまで支持されるようになりましたが、苦労の連続でした」と亀卦川篤副本部長は語る。そう、「ユーザーが集まる」ことと、「ユーザーにチラシを見てもらう」ことの2つを軸に、拡大を続けてきたのがShufoo!である。それは、スマホを活用し、消費者の手にチラシを届けることであった。

 

電子チラシだからできることを
具現化したサービスを開発

 

 紙媒体のチラシと異なり、電子チラシの情報量は無限大だ。価格中心だった商品情報をさらに付加価値の高い情報に転換できる強みが電子チラシにはある。また、紙媒体のチラシは52週MDに合わせて配布されるのが一般的であり、印刷などにかかる時間やコストも考慮されていた。しかし、電子チラシは印刷の必要がない。スマホは、365日24時間、電源がオンになっている。電子チラシとスマホの特性を最大に活用し、買物のタイミングに合わせて、毎日タイムリーな情報を発信する365日MDである。

 

 このように、電子チラシだからできることや可能性を求めて、次々と新しいサービスを展開している。

 

 代表的なShufoo!のメニューが「WEBチラシ」である。朝と夜の2回、チラシ形式のコンテンツをPUSH配信できるサービスである。ターゲットに対して、エリアやタイミングに合わせた、きめ細かなコミュニケーションと販促が実施できる。

 

「Shufoo!ミニチラ」は簡単投稿で、効果をアップ!
「Shufoo!ミニチラ」は簡単投稿で、効果をアップ!

 

 個店対応を可能にしたのが「Shufoo! ミニチラ」。店舗(=売場)から発信するタイムリーな情報をプッシュ通知でスマホなどに配信する仕組みだ。この個店発信型のサービスは、タイムサービス情報や「スタッフの一押し」商品情報、商品の利用シーンの提案など、店長や店舗スタッフが消費者にアピールできるサービス。投稿は、スマホからメールを送る感覚で誰でも簡単に行えるようになっている。「この『Shufoo! ミニチラ』によって、高額商品が売れたり、1日に20〜30個しか売れなかったまんじゅうが、3000個売れるようになった」と亀卦川副本部長が事例を紹介してくれた。

 

 スマホアプリやSNSで情報を得る消費者が増えている状況から、流通企業各社も自社限定アプリの必要性が高まっている。その動きを捉え、流通企業を支援する目的で導入したのが「ASPアプリ」である。Shufoo! チラシアプリ機能を流用して、自社アプリを簡単に立ち上げることができるサービスを提供している。

 

 全国一律のマーケティングでは、消費者の需要は捉えきれなくなってきている。そこで、コンテンツの量(配信回数も含め)を増やし、消費者の手の中に届ける。そのようなパーソナルMD的なものを可能にするのが、電子マーチャンダイジングであり、それを実践するためのツールとしてのサービスを用意している。

 

蓄積されたDMPを活用した
CRMによって消費者との関係を強化

 

 Shufoo!には、チラシ閲覧ログデータが蓄積されている。その数は、年に3000万人にのぼる。しかし、Shufoo!をはじめ、ネット上には主婦を対象としたリアルな購買行動データがなかったことに着目し、DMPに購買行動データも蓄積するシステムや企画を導入した。

 

 そのひとつが、広告閲覧者の来店を可視化したサービスである。Shufoo! DMPで配信ターゲットをセグメントした対象者に配信し、スマホのGPSから取得した位置情報を活用しすることで、広告閲覧者の来店を可視化するものである。

 

 購買行動のデータ取得としては、レシート情報を取得する「レシートくじ」を定常的に実施している。Shufoo!掲載店舗での買物レシートをスマホで撮影して、その画像と購入店、購入日、購入金額をShufoo!アプリの専用フォームに入力して応募。抽選で1万円が100名に当たるキャンペーンとして、毎月実施している。これによって、ユーザーの来店前の情報収集と、レシートから抽出される実際の購買行動をDMP上で紐付けできる。リアルな主婦の購買行動をデータ化できることで、新たなマーケティング支援が可能になってきている。

 

レシートくじ
買物前行動と購買行動をデータ化。リアルな買物データによる販促支援を可能にするレシート情報を取得する「レシートくじ」

 

 日頃の買物行動圏や、閲覧チラシカテゴリーなどで、買物主婦をターゲットに情報発信するシュフー・オーディエンス・ターゲティング・アド(Shufoo! Audience Targeting Ad)というサービスもある。ターゲットのセグメントは、「来店の可能性が高い行動圏内の主婦」や「買物興味範囲やライフスタイル別」など、Shufoo!閲覧ログから抽出。複数のWEBサイト・SNSを通じて一斉に広告を配信。店舗への誘客率をアップできるサービスとなっている。

 

シュフー・オーディエンス・ターゲティング・アド
ターゲティングで訴求効果を高める「シュフー・オーディエンス・ターゲティング・アド」(Shufoo! Audience Targeting Ad)

 

 消費者の利便性を向上させるポイントサービスの「ID連携サービス」が注目されている。消費者は複数の会員ポイントカードを持っている。それらのポイントサービスIDとShufoo!のユーザーIDを連携させることで、ポイントカードの代わりに利用できる「モバイルポイントカード機能」、ポイント履歴が確認できる「ポイント通帳機能」、連携先サービスのクーポンを利用してポイントをためることができる「電子クーポン機能」が、Shufoo!アプリひとつで利用できるようになることから、会員ポイントカードの管理が簡便になり、スマートな利用ができるようになる。小売店は来店促進とともに、閲覧~購買までのユーザー行動データの取得に基づいたマーケティング活動に役立てることが可能となる。

 

 このように、電子チラシだけではなく、地域性のある情報やリアルな買物行動に関するデータを充実させていく施策を推進している。「Shufoo!利用者のニーズにより密接に対応していくことで、利用者の拡大とともに店舗への送客を強力に支援していくことをめざしている」と亀卦川副本部長は話す。

 

メーカーが実施する
流通タイアップ企画も支援!

 

 メーカーがShufoo!を利用して、タイアップ先のチェーン店舗へ送客する事例が増加している。Shufoo!自体が電子チラシのポータルサイトであることから、他の媒体やポータルサイトと違い、キャンペーン告知広告は敬遠されない土壌がある。かえって、注目率が高いといえる。Shufoo!アプリを起動すると、トップ画面に広告が表示される「プレミアムパネル」サービスをはじめ、メーカータイアップを告知できるサービスをさまざま用意している。

 

 このサービスを利用して、販促として無料クーポンを配布した事例がある。好評を得たこの企画は、店舗への送客を促進し、タイアップしたメーカーにおいてもレジを通した企画としたため、売上を立てながら商品告知を実施できるという二重の効果となった。

 

 いまShufoo!は、「ユーザーが集まり、チラシを見てもらうこと」から、その先の「メーカーとユーザーを結び、ユーザーを店舗へ誘導すること」をめざすデジタル販促ツールとなっている。

 

生活者の便利で豊かな暮らしを実現する
地域支援メディアへ!

 

 Shufoo!は、消費者データと店舗データ、購買行動データなどあらゆるデータを蓄積している。そのデータの分析や検証によって、さまざまな条件でのセグメントが可能になっている。また、GPSなどを組み合わせることで、より効果的な送客を可能にしている。

 

 たとえば、店舗の商圏内にいる消費者への情報発信やショッピングモールなどの大型商業施設のフードコートにいる人をターゲットにした配信というように、消費者を呼び込んだり、待ち伏せたりと、セグメントとの組み合わせで、多彩な誘客や販促を可能にしている。

 

 社会活動の一環として、自治体・官公庁からの情報発信も取り扱っている。結婚や出産を機に、役所との関係性は高まることから、これらの情報が求められるようになる。地域コミュニティーとのつながりや地域を支援するメディアとしての役割も担うサービスである。

 

 今後、凸版のグループ企業である株式会社マピオンと連動した気象マーケティングを導入したサービスの実施が検討されている。天候や気温差など、店舗の商圏内の気象データをもとに、「明日は、気温が下がり寒くなります。温かいスープはいかがですか。〇〇○スーパーで」と前日に告知を配信し、当日にさらにプッシュ告知を実施。雨の日には「部屋干し商品の告知」というように、ウェザーマーチャンダイジングを取り入れたサービス提供を考えている。実験段階ではあるが、近い将来、可能になるだろう。

 

 電子チラシのスペースが無限大であるように、生活者の便利で豊かな暮らしの実現をめざすShufoo!には、無限の可能性がひろがっているようだ。亀卦川副本部長は「それは、消費者はもちろん、流通業およびメーカーの三者にとっての可能性である」と語ってくれた。