2018/07/02

無人店舗向けに3つのサービスを提供、まずはマイクロマーケットを攻略 ヴィンクス 取締役常務執行役員 竹内雅則

 

流通・サービス業務向けパッケージ・ソフトウエア開発などを行うヴィンクス(大阪府/藤田俊哉社長)が無人店舗の開発展開向けサービスでも異彩を放っている。今年2月にはパナソニック(大阪府/津賀一宏社長)と業務提携を発表。マイカルやダイエーの血脈をくむ「流通系ITリーディングカンパニー」は躍進を始める。

聞き手=千田直哉(本誌)

国分グローサーズチェーンにシステム提供

──ヴィンクスの無人店舗(省人化)向けサービスは現在、大きく分けて3種類あると聞いています

竹内 そうですね。現在、最も進んでいるのは、オフィス内売店や工場内売店といったマイクロマーケット(限定商圏)を対象にしたサービスです。具体的には、国分グローサーズチェーン(東京都/横山敏貴社長)さんがマイクロマーケットで取り組んでいく無人店舗の開発や展開をサポートするかたちで「タブレット型セルフPOSシステム」など当社のソリューションを提供していきます。

 現在、マイクロマーケットを対象にした店舗とは、①従業員が常駐してレジ打ちしてくれるタイプの店舗、②パンやカップ麺などさまざまな自動販売機が並んでいるケースの2つが主流です。

 これを現金の扱いをせず、セルフレジを置いて会計してもらうかたちに変えていきます。もともと、事業所内なのでセキュリティは、ある程度、担保されています。しかも防犯カメラを設置しますので、万が一にでも万引きがあった場合もだれなのか特定することができます。

 こうすることで運営コストは確実に下がります。加えて、利用者の商品選択の幅も広がります。これまでマイクロマーケットでは、売り手の扱いやすい商品や売りたい商品をメインに品揃えされるケースが少なくありませんでした。国分グローサーズチェーンさんとの取り組みですので、お客さまからご意見を伺いながら品揃えに反映させていくことが可能です。

 仕組みはきわめてシンプルです。通常のセルフレジは、POSシステムがあり、重量検知のための秤が組み込まれたりします。しかも、アテンダントを常駐させています。

 けれども1号店では、そういうものをすべて取り払って現金決済をやめ、電子マネーやクレジットカードやモバイル決済にするだけです。一部の駅のキオスクでは自分で商品をスキャンして電子マネーで支払う形式をとっていますがあの延長です。技術面でのハードルは高くありません。

 マイクロマーケット対象ならばそれで十分という判断ですし、この需要は確実に大きく存在します。

パナソニックと業務提携

2018年2月16日、ヴィンクスはパナソニックと業務提携を結んだ(左:パナソニック青田広幸執行役員コネクティッドソリューションズ社副社長、右:ヴィンクス藤田俊哉社長)

──一方では、パナソニック(大阪府/津賀一宏社長)との取り組みも確実に進んでいます。

竹内 そうです。それが無人店舗向けの2つめの提案である「レジロボ®」になります。

 「レジロボ®」そのものはパナソニックの取り組みですが、その大まかな仕組みは、お客さまに商品のバーコードを読み取るためのセンサーを装備した専用の買物カゴを持っていただき、お客さまは商品購入を決めたら、そのセンサーに商品を近づけ、バーコードをスキャンする。そして、カゴをカウンターに設置された「レジロボ®」上に置くと、会計の明細と合計金額が表示されます。お客さまは決済手段を選んで支払います。

 精算が終わると「レジロボ®」が自動で袋詰め作業を開始します。買物カゴの底部がゆっくりと開き、その下にセットされているレジ袋に商品が落ちていきます。ケーキやタマゴといった壊れやすい商品でも、衝撃を受けて破損することがないようなつくりになっています。

──「レジロボ®」はRFID搭載の実証実験にも取り組んでいました。

竹内 そうです。2017年2月に商品にICタグを貼り付けるかたちで実証実験が行われました。これでお客さまは商品のバーコードをスキャンする必要がなくなりました。商品をカゴに入れて「レジロボ®」の上に置くだけで、瞬時に計算されるため、お客さまはより快適なショッピングができるようになりました。

 RFIDの導入はお客さまのみならず、小売店さまにとっても大きなメリットがあります。個品管理やリアルタイムインベントリー(現状在庫把握)が可能になり、商品の需要予測をより正確にできるとともに、販売期限や消費期限の情報も的確に管理できるようになっています。

 やはり大きなハードルになっているのは、そのコストです。現在、RFIDの価格は1枚10~15円ほどしますので、貼付できる商品は限られてきます。高額商品の多い衣料品や化粧品ならまだしもすべての商品への導入はまだ難しいかもしれません。

「ローソン 晴海トリトンスクエア店」と刷新された「レジロボ®」
パナソニックとヴィンクスのコラボレーションの1つ。棚札の位置に4Kディスプレーを付け、レシピや産地情報などを流すというもの

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