『本麒麟』
おいしさと品質をさらに追求しいざトップブランドへ!

2019/01/15 00:00
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本麒麟

 

発売からわずか半年で2億本※1を突破するなど、販売好調なキリンビールの「本麒麟」。過去10年の同社新商品でも売上No.1※2を達成、その勢いは今なお続く。なぜこれほどまでに売れるのか。大ヒットの要因とブランド誕生2年目の施策について、マーケティング部の永井勝也氏と岸川真氏に聞いた。

 

飲んでみたいと思わせる広告と売場づくりで販売好調

 

 2018年3月13日、深紅のパッケージで鮮烈なデビューを飾った「本麒麟」。新ジャンル商品でありながら、ビールに期待される“力強いコクと飲みごたえ”を実現し、発売以来、幅広い世代から多くの支持を集めている。昨年は年間販売目標を二度上方修正し、最終的には当初予定の約7割増となる約870万ケース※3を達成した。

 

キリンビール株式会社 マーケティング部 ビール類カテゴリー戦略担当 アシスタントブランドマネージャー 永井 勝也 氏

 大ヒットの要因は、いったい何なのか。商品自体の魅力もさることながら、それだけではないと、マーケティング部ビール類カテゴリー戦略担当アシスタントブランドマネージャーの永井勝也氏は話す。

 

 「まず広告ですね。これまでのようにシーンや気分を表現するのではなく、『うまさ』にフォーカスして、飲んだときの驚きや感動を伝える広告に徹底しました。それを間断なく、お客さまに確実に届くような規模感で行ってきたのが効いたと思っています」

 

 実際、江口洋介氏をはじめとする実力派タレントを多数起用し、飲んだ人の実感がこもった描き方のCMは、CM総合研究所による「2018年度 消費者を動かしたCM展開 特別賞」を受賞した。

 

 「さらに、店頭もはずせないポイント。私たちの商品を魅力的に感じ、買っていただきたい場所は店頭ですから。店頭に行ったときに、瞬間的に『本麒麟』を見つけられ、広告と紐付いて、買いたい気持ちにさせる売場をつくりました」(永井氏)

 

 店頭をパッケージカラーの赤で染め上げ、広告と連動したインパクトのある売場づくりは、全国一律で行われた。店頭施策を担当した岸川真氏はこう話す。

 

 「“赤いかたまり”の売場は一度だけでなく、CMに登場するタレントが変わるなど新しいニュースが出るたびに実施しました。小売業の方々に一緒に取り組んでいただけたことも好調の要因のひとつだと思っています」

 

 こうした広告と連動させた売場づくりに加え、「本麒麟」を実際に飲んだお客さまによるポジティブなクチコミの広がりも忘れてはならない。「あの人もこの人も言うなら、飲んでみようかな」と喚起し、トライアル購入の増加につながった。

 

成功のカギはお客さま起点の一貫性をもった取り組み

 

 成功の根底にあるのは、「お客さまをもっと理解しよう」という真摯な姿勢だ。新ジャンルのような成熟市場で新商品を投入する場合、多様化に走りがちだが、キリンビールでは先入観や思い込みのフィルターを外して、あらためてお客さまのニーズを分析した。

 

 「本当はビールを飲みたいけれど、経済的な理由で新ジャンルを飲んでいるユーザーが多く、太いニーズがあることがわかりました。そこに対して、真っ正面から取り組んだのが『本麒麟』です」(永井氏)

 

 商品開発はもちろん、広告戦略や売場のプロモーションも、すべてはお客さま起点。「本麒麟」がビールに近い本格的なうまさと品質を実現した新ジャンルであることを、お客さまにわかってもらうためには、どんな広告なら伝わるだろうか? メディアの取り上げられ方は? SNSでクチコミを見たときに、お客さまが飲みたい気持ちになるには何をすべき? さらにクチコミを広げてもらうためには何が必要? ぱっと見たときに、CMを連想させ、飲みたい気持ちになる交通広告は? 店頭で売場を見たときに、いろいろなところで接した情報がうまくつながり、「おいしそう! 飲んでみたい!」と思ってもらうためには、どうすべき?

 

 「一つひとつチェックしながら、お客さま理解の質を高めて、緻密にマーケティングプランをつくる。そして、一貫性をもって取り組んでいったことで、『本麒麟』は受け入れられたのだと思います」(永井氏)

 

 加えて、こうしたプランがブレることなく営業現場に伝わり、社員全員が一丸となって取り組めたことも大きい。広告を打つ話と売場をつくる話は別物ではない。すべてはつながっているのだということを、営業現場の最前線にまでしっかりと伝えることができた。「お客さまにこう思ってほしいから、こうやる」というシンプルでストレートな考え方だからこそ、理解され共有されたのである。

 

今年2月、強みを伸ばして攻めのリニューアル!

 

 発売1年目を最高の形で駆け抜けた今、2年目となる2019年はさらに飛躍したいと、永井氏は意気込む。

 

 「成功するブランドは、 2年目が勝負。これまで以上に投資して、ブランドを育成していきたいと考えています。まだまだポテンシャルのある商品ですから」(永井氏)

 

キリンビール株式会社 マーケティング部 企画担当 岸川 真 氏

 一方、岸川氏も営業現場と連携しながら、もっと販売店率を上げていきたいと力を込める。

 

 「動けば売れる手応えを、小売業の方々にも感じていただいています。だからこそ、買いたいときに買える状態をつくっていかなければなりません。350ml缶でトライアルし、気に入ってリピーターとなり、『ケースで買いたい。500ml缶を買いたい』と思っていただいても、商品が店頭にない場合があります。これはお客さまにとっても、小売業の方々にとっても、そして私たちにとってもチャンスロス。どこでも買える環境をめざし、一生懸命ご提案していきたいと思います」(岸川氏)

 

 今よりも成長のスピードを上げて、新ジャンルカテゴリーのトップブランドへ―――。そんな大いなる目標のために、今年2月、「本麒麟」はさらにおいしく生まれ変わる。強みを伸ばす、攻めのリニューアルだ。

 

 具体的には、苦みの利いた力強いコクをより直感的に感じてもらうために、従来品よりもドイツ産ヘルスブルッカーホップ(一部使用)を増量。さらに、ドリンカビリティを高めるために、後切れをよくする工夫を施した。つまり、飲んだときのインパクトがより強く、それでいてまた飲みたくなる味の設計というわけだ。また、パッケージについてもクオリティを高め、色、書体、デザインすべてをブラッシュアップした。

 

 「前提にあるのは、ビールに近いおいしさの、本格的な味わい。そのイメージをもっと強くしていきながら、CM出稿や店頭施策を間断なく行い、もっともっと上をめざしていきます」(永井氏)

 

 2019年春、「本麒麟」の新たな挑戦が始まる。

 

※1 350ml換算
※2 発売から7カ月間の累計出荷実績で比較
※3 大びん換算

 

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お問い合わせはお客様相談室まで  0120-111-560
http://www.kirin.co.jp/ キリンビール株式会社

 

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