セブン&アイ1Q決算増益でも喜べない、頼みのセブンーイレブンが抱える3つの課題

椎名則夫(アナリスト)
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課題2 当面の集客戦略のカギは新レイアウト導入加速

今後のセブン-イレブンの集客戦略のカギは新レイアウト導入の加速。新レイアウトの真価が問われる
今後のセブン-イレブンの集客戦略のカギは新レイアウト導入の加速。新レイアウトの真価が問われる

 当然セブン&アイの対策を打っている。その一つが7payだが出足でつまずくことになったことは周知の通り。このため、食品カテゴリーを前面に押し出した新レイアウトの導入加速がいっそう重要になる。セブン&アイの最大の強みである食品のプライベートブランド(PB)商品を核に、高齢化・共稼ぎ化による時短ニーズを自宅近くで応えようという狙いで、同社の体質に合う戦略だと考える。さらには最近増えている都市型ディスカウントストアへの対抗策も意図しているかもしれない。

 現在の新レイアウト導入店舗は4600店。これを年度末までに当初計画の6000店から今回7000店まで導入を加速するとセブン&アイは発表しており、18年12月までに導入したサンプル411店ではの客数・日販にプラス寄与が出ていると報告されている。ただしあくまでこれは411店舗に過ぎない。新レイアウトの真価が問われるのはむしろ一定規模になってきてからで、これからと言える。

課題3 次の成長を担うフランチャイジーをどう確保するか

 最近のセブン-イレブンはフランチャイジーの収益確保に向けて、チャージ率引き下げ、営業時間短縮営業の試行、廃棄ロス削減など多面的に手を打っている。これらの動きはフランチャイズ契約における収益の分配やロジスティックスの大幅な見直し、つまりセブン&アイの事業効率を損ないかねない要素を含むだけに、かえって今後のフランチャイジー確保に関してセブン&アイが危機意識を強く持っていることの現れと思えてならない。

 そうした文脈の中で、既存店客数減と7pay問題を契機にしたデジタル戦略の足踏みリスクという新たな宿題が出てきた格好だ。セブン&アイがこれまでと同様にイノベーターであり続けることができるか、久々に真価が問われようとしているのではないか。

 

 

プロフィール

椎名則夫(しいな・のりお)
都市銀行で証券運用・融資に従事したのち、米系資産運用会社の調査部で日本企業の投資調査を行う(担当業界は中小型株全般、ヘルスケア、保険、通信、インターネットなど)。
米系証券会社のリスク管理部門(株式・クレジット等)を経て、独立系投資調査会社に所属し小売セクターを中心にアナリスト業務に携わっていた。シカゴ大学MBA、CFA日本証券アナリスト協会検定会員。マサチューセッツ州立大学MBA講師

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