成城石井原昭彦社長が教える 原料調達×商品開発で独自性を磨く方法

ダイヤモンド・チェーンストア編集部
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トレンドの半歩先を行きヒット商品を育成する

──現在の消費環境をどのように見ていますか。

 低価格がいっそう求められる一方で、価格以外の価値やこだわりを追求する人も増えており消費の二極化が進んでいます。後者のお客さまに多く利用いただいている当社では「安全・安心」「美容」「健康」「簡単・便利」をキーワードとした商品のニーズが年々高まっています。

 そうしたなか18年度も既存店売上高を伸ばすことができたのは、これらのキーワードの商品をしっかり提案できたからでしょう。とくに総菜や、スイーツ、パン、ベーカリーなどは売上が大きく伸びています。

──消費者の嗜好の多様化が進んでいます。

成城石井
成城石井のオリジナル商品「成城石井desica」。成城石井ならではの素材を使い独自性の高いメニューを開発している

 そうですね。4~5年ほど前に「スーパーフード」が話題になった辺りから顕著に多様化が進んだように感じています。現在では「グルテンフリー」「ビーガン」「ベジタリアン」などのさまざまな人に対応できる品揃えを意識しています。

 最近クローズアップされるようになった商品でも、成城石井ではずっと前から取り扱ってきたものが多いです。たとえばカフェインを含まない「デカフェ」の商品は20年以上前から販売しています。当社では、価格と販売量で判断するABC分析の上位商品だけを売るのではなく、消費トレンドの半歩先を行きながら、新しいものを品揃えのなかに取り入れているのが特徴です。そして現段階では売れていなくても将来的に花開くように丁寧に育成していきます。

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小売業が製造小売化しなければ生き残れない理由!

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