ノンフーズ強化型の既存店改装にシフト=クリエイトSD HD 廣瀬 泰三社長

ダイヤモンド・ドラッグストア編集部
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クリエイトSDホールディングス(神奈川県)の2018年5月期第2四半期業績は、売上高は対前期比7.7%増の1309億6700万円、営業利益は同14.0%減の61億300万円、経常利益は同13.4%減の62億7900万円、四半期純利益は同13.1%減の42億7600万円で増収減益だった。

廣瀬 泰三(ひろせ・たいぞう)
●2011年6月クリエイトエス・ディー入社、社長付。2011年8月同社取締役、クリエイトSDホールディングス取締役。2012年2月クリエイトSDホールディングス取締役副社長、クリエイトエス・ディー取締役副社長。2012年8月同社代表取締役社長(現任)、クリエイトSDホールディングス代表取締役社長(現任)、サロンデイ取締役(現任)。2013年8月ウェルライフ取締役(現任)。

 「事業会社クリエイト エス・ディーの売上高総利益率は対前期比0.5ポイント(pt)低下の27.2%だった。新規出店の増加によって全体の粗利益率が下がったほか、新店の価格を強化していることも響いた。生鮮部門拡大に伴いロスが増加した点も影響している。

 売上高販売管理費(販管費)率は同0.7pt増の22.8%と大幅に上昇した。新規出店に伴う経費増は計画に織り込んでいたものの、人件費が想定以上に増えた。0.7%のうち人件費の増加に伴うものが0.5%だ。登録販売者は制度変更により1人で店を運営できるまでに2年の実務経験が必要になった。

 どうしてもその間は2年実務経験した登録販売者と、新しく資格を取得した登録販売者が店に混在することになる。制度変更と同じ時期に当社は出店強化に舵かじを切った。加えて、薬局が増えている関係で薬剤師の調剤配属希望が多く、OTC店舗(物販)の登録販売者を追加採用して配置しなければならない状況が生じた。また、最近は比較的都心部への出店も進めており、そこでは時給を上げないとなかなか採用できない状況がある。これも全体の人件費を押し上げた」

 既存店売上高は対前期比0.3%の微増にとどまった。

 「当社は客数を重要な指標としている。17年6月の期初から客数を伸ばすための新たな販促を実施した。8月は記録的な長雨があったほか、コンビニエンスストアや総合スーパーなど小売業各社が日用品等を含めた値下げを実施した。

 当社の売上高は順調だったが、客数が若干落ちていたので、EDLP(エブリデイ・ロー・プライス)の売価が本当にお客さまにご支持いただける価格になっているかどうか見直して、8月の時点で日用品のEDLP価格をさらに強化し値下げを実施した。10月は週末に台風が来て、想定以上に客数、売上高を落とした。天候与件に左右されない強い業態にしていくために、10月後半にフーズ関係のEDLP売価を見直した。12月には販促策をプラスした。

 結果として上期の数字は上下に大きく振れている。これは将来を見据えて、EDLPや販促の実験を含めさまざま実施した結果だ」

 18年5月期は通期で50店舗を新規出店する一方、28店舗の既存店を改装する計画だ。

 「18年5月期の新規出店は、OTC店舗は従来の30~35店舗から大きく増やし通期50店舗、調剤薬局は30店舗の計画だ。第2四半期(上期)まではOTC店舗19店舗、調剤薬局16店舗を新規出店した。下期のOTC店舗は新規出店31店舗で当初計画を達成できる見込みだ。調剤は対計画比5店舗増で着地予定だ。

 既存店の改装はこれまでのフーズ強化型からヘルス&ビューティを核としたノンフーズ強化型の改装に軸足を移す。なぜなら効果が顕著に出る立地の既存店においては、フーズ強化型の改装は上期でほぼ終えたからだ。したがって下期は新業態『Cremo(クレモ)』のノウハウを注入したビューティ強化型など新しいタイプの売場にしていく改装に力を入れる。

 下期は11店舗の改装を計画している。その内訳はフーズ強化型2店舗、ノンフーズ強化型7店舗、調剤併設1店舗と、売場面積240坪の既存店を同500坪に増床し、新業態「Cremo」に改装する案件も1店舗ある」

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