〈特別企画〉ホームセンターバイヤーが選ぶ年間ヒット商品2018 Diamond Home Center
新規機能性、ブランド力、価格が3大要因
小誌では毎年、ホームセンター(HC)の店頭で業績貢献度の高かった新商品についてHCの商品部にアンケートを実施し、その中で最もポイントの高かった商品を表彰している。14回目を迎えた受賞商品を発表する。
● 24社の回答から18商品を選定
前年夏以降に発売された新商品の中からヒット商品を表彰する、「ホームセンターバイヤーが選ぶ年間ヒット商品」は、今年で14回目を迎えた。
今回も2017年10月に、有力HC各社にアンケートを発送し、24社、186人のバイヤーから回答があった。寄せられた回答をもとに、有識者および小誌編集部による分析を行った。
アンケートでは、「DIY用品」、「ガーデニング」、「カー用品」、「ペット」、「リフォーム・住宅設備機器」、「エクステリア」、「インテリア」「家電・照明」、「文具・家庭用品」、「資材」、「プロユース」の11部門を、さらに58の中分類カテゴリーまで設定し、16年夏~17年夏に発売された新商品を対象に、「業績に最も貢献した商品」についてバイヤーに回答してもらった。ブランドとしては既存商品だが、リニューアルやラインアップした商品も一部対象としている。
「年間ヒット商品2018」では、上記18商品を選定した(表)。
● 売場貢献度は「売上高」が6割以上
(全部門の平均)拡大画像表示
どのような指標が売上に貢献しているか、の回答状況がグラフ1である。
18年は、「売上高」、「販売数量」、「利益額」、「利益率」の4つの項目すべてで、回答率が、前年を上回った。
「売上高」は前年から6.3ポイント(pt)上げて、63.2%となり、6割を超えた。販売数量は10pt以上上げて41.6%、利益額は4.9pt上げて21.8%、利益額の回答率も前年から2倍以上になる11.0%となった。
● 貢献内容のすべてで、前年から回答率大きくアップ
(全部門の平均)拡大画像表示
次に、具体的に業績に貢献した要因を表したのがグラフ2である。
業績に貢献した要因も、業績の内容と同様にほとんどの項目で、前年から回答率を上げた。
「新規機能性」、「価格(値ごろ感)」、「ブランド力」の上位3項目は変わらないが、「価格(値ごろ感)」の回答率が、前年から6.7ptアップして、33.3%となり、「ブランド力」を上回って、2位となった。
18年の回答率のトップは、前年に引き続き「新規機能性」だった。ちなみに15年のトップは「価格(値ごろ感)」、16年は「新規機能性」である。今年は入れ替わりがなかったが、業績に貢献した要因の主要3項目は、商品がヒットするための要素としてバイヤーが重視していることは明らかである。
これまで、10%前後と回答率が低かった「デザインなどの斬新さ」、「売場提案力(販促強化商品)も20%前後に回答率を上げているのも、今回の回答結果の特徴だ。
今回受賞した商品の中には、作業衣料や安全スニーカーなどのように、専門店のような売場提案をすることで、新規顧客層を獲得する事例もあり、今後はメーカーの提案力もヒット商品の要因としてより重視されていくと考えられる。