[塗料]多様化するコンセプト商品
ユーザー層の拡大を図る取り組みが活発化

2018/12/29 09:00
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Paint

多様化するコンセプト商品
ユーザー層の拡大を図る取り組みが活発化

塗料

近年の塗料市場では、利用者層の拡大を踏まえた新しいニーズに対応する商品や、新しい利用シーンの提案を含むコンセプト商品が数多く生まれている。保護、補修といった従来のニーズに対応するだけでなく、より趣味的で、ライフスタイルを提案するタイプの商品が増えるトレンドにある。またメーカー各社が行うワークショップなどのイベントも活発化する傾向にあり、大きな成果を挙げている例も多い。(本誌:上明戸聡)

 

新しいニーズにいち早く対応する商品が続々と登場

 

 家庭用塗料市場では、「DIY女子」という言葉に象徴されるように、新しい需要者層に向けた製品開発やコミュニケーション戦略が活発化している。

 

 少子高齢化や、住宅需要の減少によって、塗料が役割を担う住居回りの塗り替え市場が伸び悩む傾向にあるなか、新たな活用シーンが生まれてきている。

 

 ひと頃のガーデニングブームでも見られたように、こうしたトレンドは市場の主流にはならないとしても、市場全体の活性化や、ホームセンターにおける売場の拡大・多様化につながる可能性を秘めている。

 

 こうした情勢を受けてメーカー各社も、性能そのものの向上に加え、よりスタイリンシュなコンセプトを持った商品や、扱いやすい容器の開発、安全性や環境対応を意識した商品などを次々と打ち出している。

 

ワークショップなどの体験型イベントで“塗る”楽しさを発信

 

 同時にメーカー各社では、展示会や店頭でのワークショップ開催など、体験型のイベント開催やプロモーションに積極的に取り組んでいる。内容も女性向け、子供向けなど多彩で、ペイントのテクニックを伝えるだけでなく、“塗る”ことの楽しさを体感してもらうことが大きな目的だ。

 

 2018年の「JAPANDIY HOMECENTERSHOW」でも、メーカーによるワークショップなどのイベントが開催され、想像以上の人気を集めるブースも見られた。

 

 こうしたアプローチは新しい需要層に向けて有効であるだけでなく、店頭においては塗料売場の活性化につながり、リピーターの育成にもつながる。品揃えの幅や調色といった塗料売場ならではの顧客対応だけでなく、体験を提供していくことも大きな意義を持つ時代になっている。

 

 実際に塗装経験を持つ一部のユーザー以外にとっては、実際に用具を手に取り、塗装してみるまでには心理的な壁があり、うまく塗装するためにはちょっとした知識やコツも重要だ。これらを店頭から発信していくことで、新しいユーザーが感じる垣根を少しでも低くしていく努力が求められている。

 

「JAPAN DIY HOME CENTER SHOW 2018」における和信ペイントのブース。ワークショップに多くの参加者が殺到するなど、人気を集めた
「JAPAN DIY HOME CENTER SHOW 2018」における和信ペイントのブース。ワークショップに多くの参加者が殺到するなど、人気を集めた 「JAPAN DIY HOME CENTER SHOW 2018」における和信ペイントのブース。ワークショップに多くの参加者が殺到するなど、人気を集めた

 

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