DCMホールディングス 第2四半期決算 大幅な増収増益を達成

2011/12/19 00:00
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 DCMホールディングス(東京都/久田宗弘社長)の11年8月期第2四半期決算は、売上2287億8500万円、対前年同期比6.2%増を達成。さらに、営業利益、経常利益とも前年同期を50%近く増加する極めて好調な数値となった。

 

 期初の3月に起こった東日本大震災の影響が懸念されたが、結果的に、復興需要や節電重要への対応がスムーズにできたことに加えて、前期から取り組んでいた売上拡大策が波に乗ったのが大きい。

 

 震災直後はホーマック(北海道/石黒靖規社長)の岩手、宮城両県の店舗を中心に28店が営業休止を余儀なくされたが、今第2四半期末までには21店が通常営業体制を回復。その中で、東北地方の既存店は対前年同期比約12%増の高い伸び率を示した。

 

 ただ、好調の要因は「復興事業で順調にいったかどうかの問題ではなく、わが社の基本的な政策がマーケットに対応できてきたからだと思っている」(久田宗弘社長)と、あくまで、「復興需要ではなく、政策の成果」であることを強調する。

 

 実際、東北エリアだけではなく、全国における既存店の伸び率は第2四半期累計で5.8%増、連結の売上高でも6.2%増を達成しており、客単価は3.5%増、客数も2.2増を達成するなどあらゆる指標が極めて好調だ。

 

 とくに売上の伸びが大きかったのがホームエレクトロニクス部門で、同256億円、前期比較56億円ほど上積みになり、伸び率では28%増。これは、震災直後の電池や電灯、LED電球の特需、また、今夏の扇風機などが非常によく売れたのに加え、地デジの対応の商品として、テレビ、アンテナ、チューナーの売上が奏功したのが大きいという。

 

 同社は10年10月、3社統合による調整期間からようやく脱し、売上拡大策に転じた。具体的には、同社で「品種拡大店舗」と呼ぶ実験的な店舗の展開、そして、地域のニーズに直接対応した「地域与件商品」の展開である。

 

 これは、標準のオペレーションの中で可能な範囲内で、売場づくりの裁量を各店にある程度託し、地域のニーズに特化した商品やサービスの展開を店独自の判断で行えるようにする取り組み。さらにその際、「商品の使い方、あるいは、その商品がなぜ必要なのかということを、明確に売場でアピールする取り組みを、各地域の社員がアイデアを出して売場づくりした」(同)というものだ。

 

 こうした取り組みにより前期後半から売上が拡大基調に転じており、震災の影響によってもその勢いが削がれることなく、結果、今回の好業績につながった。

 

 これを受けて、下期の業績予想についても自信を示す。当初、下期の既存店売上高は、対前期比0.7%減とみていたが、9月期、10月期の業績が上期の好業績を維持して同6%増のペースで推移していることから、好調が続くと予測して同1.5%増に修正。これにより、通期での既存店売上高は同3.7%増になる見通しだ。なお下期の出店は当初、2店の計画だったが、6店に変更。退店もゼロから4店に増えて、結果、純増は2店になる。

 

 さらに、前期から取り組んでいる地域のニーズや事情に即した商品やアプローチの取り組みをさらに強化、また、高齢化社会に対応した新しい業態の開発を積極的に進める。出遅れていた工具専門店のホダカの新規出店も下期で2店計画。ミドルラインの商品ラインアップの強化などの施策を展開する。

 

 これらのことから、通期売上高は4338億円(対前期比3.9%増)、営業利益は200億円(同51.3%増)、経常利益198億円(同50.4%増)、当期純利益83億円(同21.2%増)を見込む。

 

 「ホールディングス設立6期目を迎え、過去最高益が出せる状況」(取締役財務統括部主管・鎌田清孝氏)と自信を見せた。

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