[エクステリア]カーポート、合成木材デッキなどがHCチャネルにおける戦略商品に

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カーポート、合成木材デッキなどが
HCチャネルにおける戦略商品に

住宅のエクステリア関連需要は、新築後から発生し、カーポートやテラス回り、バルコニーなどのユニット商品については安定的な需要を見込むことができる。ホームセンター(HC)は、そうした需要層が商品を選ぶために重要なチャネルとなっている。新築住宅着工戸数が減少する中で、今後のエクステリア市場ではどのようなニーズ対応していくべきか。メーカーの注目商品から探ってみた。(本誌:上明戸聡)

 

 

● 全体動向 ●

 

顧客対応機能の強化と魅力ある売場づくりでニーズを的確につかむことが重要

伸びる合成木材デッキカーポートが安定的に推移

 

エクステリア製品の平成29年度出荷実績と製品別シェア 一般社団法人日本エクステリア工業会の調査によると、平成29年のエクステリア製品の出荷実績は合計で2366億円強。この数年大きな変化はなく、シェアを見ると、フェンス(26.1%)、カーポート(19.9%)、門扉( 10.5%)、合成木材デッキ(7.3%)といった順になっている。

 近年の傾向としては、住宅敷地と道路との境界線をフェンスや門扉で囲わない「オープン外構」がトレンドとなっていることから、フェンス、門扉などの出荷額が減少傾向にある。一方、安定的に推移しているカーポートや、近年出荷額が拡大傾向にある合成木材デッキなどが、HCにおいても売れ筋分野として注目されている。

 また屋内と屋外の昼間領域の空間を演出し、豊かなライフスタイルを実現したいと考える層が増えていることから、テラスやスクリーン、ガーデンファーニチャーなどへの注目も高まっている。

 エクステリアカテゴリーは、外売場をはじめとした広い売場面積を持つHCのチャネル特性を生かしたショールーム的な訴求が可能であることから、他業態との差別化を図る意味でも重要な商品分野のひとつ。施工を伴う商品も多いため、専門企業との連携など、顧客対応機能を強化していくことが重要だ。さらに何より重要なのは、住居回りの演出にさまざまな夢を持つ消費者に対して、魅力的な提案を行う売場を維持管理する努力だ。

 またカーポートについては、価格訴求だけでなく、地域ごとに必要な強度や設置条件への適合性など、専門的なコンサルティングを提供していくことも重要だ。

 

 

エクステリア 注目メーカーの動向

タカショー

リアルとネットの融合で新たな顧客接点となる「選べる! 庭家具」

「選べる! 庭家具」カタログ タカショーでは、エクステリア商品の現物を見て選びたいというユーザーの希望が強いのに対し、店頭での売場管理やオペレーションの負担が大きいことから、売場での取り寄せカタログの強化に取り組んできた。
 同社はエクステリア市場において、家と外の中間領域商品の提案が活発化しており、新たな空間での需要として創造されつつあるとみている。それによってガーデンファーニチャー、日よけ、目隠しなどその空間に必要な商品への需要が高まっている。
 DIY領域でのリビングガーデンの提案を積極的に行っていく同社としては、取り寄せカタログの果たす役割を重視しており、「選べる! 庭家具」カタログも、新たな購入前接点のひとつとして戦略的に展開している。リアルとネットを融合できる点が従来のカタログと大きく異なるポイント。同社のオウンドメディアにスマホでアクセスすることで、カタログでは表現しきれない写真を見せたり、イメージの提案を行うほか、ホームセンター(HC)側のEコマースへの連動も可能。商品によっては宅配サービスも実施する。
 顧客は庭や中間領域の空間ができるとまずHCに見に行こうと考える場合が多く、来店したときにはやはり商品を選びたい、探したいという欲求を持っている。それを可能にするのが同社の「選べる! 庭家具」カタログだ。
 たとえば、水が流れるファウンテンについて、動画で水が流れる音を入れてイメージを訴求することで従来よりも売れ行きが伸びているという。大型商品の場合、組み立てに不安を持つ顧客もいるが、動画で組立方法を紹介することで不安も軽減される。
 またこうした購入前接点を増やし、必要な情報をオウンドメディア内で提供することで、HCサイドの負担を減らした提案ができるほか、疑問点などについては同社のカスタマーサービスに問い合わせるケースも増えているという。

 

ニチハ

ニチハ

リズミカルな目地が特長のロングセラー
センターサイディング(金属製外壁材)「ベーシックシリーズA 型」

センターサイディング「ベーシックシリーズA型」 ニチハでは、軽量で断熱性や耐久性に優れた「センターサイディング」を、新築はもちろんリフォーム向けにも提案。シャープで軽快なライン柄や、本物が持つ素材感を表現したデザインなど、建物や個性に合わせて選べる豊富なバリエーションを用意している。
 中でもシンプルデザインと独特の質感が特長のロングセラーとして、高い人気を誇っているのが「ベーシックシリーズA型」。リズミカルな目地が特長の商品で、ホームセンターでも広く取り扱われている。同社のセンターサイディングは、表面材と裏面材に断熱材をサンドイッチ(一体成型)した三層構造の高性能外壁材である。
 表面材に使用している「塗装高耐食GLめっき鋼板」(厚み0.27㎜)は、55%アルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板で、従来の亜鉛めっき鋼板と比較して耐食性が大幅に向上している。また芯材の硬質ウレタンフォームは、断熱性・遮音性に優れている。
 さらに裏面材には強度の高いアルミラミネート加工紙を使用。外壁の強度を高めるとともに輻射熱を反射し、屋内を快適な温度に保つ。センターサイディングの重量はモルタルの約10分の1。
 住宅構造が同等の場合、軽量なので地震の影響を受けにくくなり、建物への負担を軽減する。またセンターサイディングは片側を固定し、他方をかん合する形式のため、地震の揺れによる外壁の変形をかん合部のスライドで吸収し、地震の力を逃がすので、モルタルやコンクリートのようなひび割れが生じないという特性も持つ。
 この他に、フッ素鋼板を採用した超高耐候シリーズや、同じく軽量・高耐久な屋根材「センタールーフ」など、金属製外壁材・屋根材を幅広く品揃えしている。

 

YKK AP

外観トータルコーディネートを実現する「ルシアス」シリーズ

「ルシアス」シリーズ YKK APでは、統一感のある美しい住まいの外観を演出するエクステリア商品シリーズ「ルシアス」シリーズを積極的に提案している。住宅のアプローチ空間や外構回りなどのエクステリアと、建物との“美しい調和”をテーマに開発された製品をラインアップし、街並みや住宅デザインに配慮しながら、新たな意匠表現や使い方を追求し、住まい手の要望に応じた価値を創出する。
 基本アイテムである門扉、フェンス、機能ポール、車庫用ゲート、窓・玄関回り、バルコニーなどのコーディネートはもちろん、出入りのしやすさや防犯性を向上させるために玄関ドアと門扉のカギ(電気錠)を共通化するなど、トータルなデザイン性と機能性を両立させた点が大きな特徴だ。
 同シリーズは、「住宅のアプローチ空間や外構回りをトータルにデザインするという発想」が高く評価され、「2015年度 グッドデザイン賞」(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞している。
 2017年には、シリーズに2つのアイテムが投入されている。「ルシアス」バルコニーは、従来のユニット式バルコニー商品を統廃合し、15年ぶりに全面リニューアルしたもの。人気の木調色は、従来の3デザインから6デザインへラインアップを倍増。また、「ルシアス 宅配ポスト1型」は、宅配便再配達の社会問題を背景に高まる需要へ、デザイン性と機能性を併せ持つ宅配ボックスとして投入した。
 トータルコーディネートを可能にする外構商品シリーズとして、周辺アイテムを含むラインアップは、ホームセンターにおいても、有力な選択肢を提供する製品として注目を集めている。

 

LIXIL

シンプルなミニマルデザインを採用
次世代型カーポート「LIXIL カーポートSC」

「LIXILカーポートSC」 LIXILでは、新築着工戸数が着実に減少していく中で、より価値を提案する商品の開発に取り組んでいる。同社のホームセンターへの出荷額構成比の高いカーポートについては、成長傾向の折板カーポートをはじめ、強度や積雪対応などの機能性に優れた商品をラインアップしているほか、2017年には“住宅との調和”という価値を追求した次世代型カーポート「LIXILカーポートSC」を発売。多くのユーザーが価格を中心にカーポートを選ぶ傾向が強い中で、デザインにこだわった製品として登場し、順調に出荷を伸ばしている。
 「LIXILカーポートSC」は、屋根と柱のみというシンプルな構成による直線基調のフォルムや、屋根部全体にアルミを採用したことにより40㎜という薄さを実現した屋根デザインが特徴。モダンからナチュラル、和テイストまでさまざまな住宅スタイルと調和する。
 また雨樋を屋根・柱に内蔵することで、機能性はそのままに見た目の凹凸を少なくしたほか、ネジやボルトなどのパーツを表から見えないように配置。コーナー部分のキャップも極小化するなど、細部にまで徹底的にノイズレスデザインにこだわった。金属光沢を抑えたマットな質感が、住宅外壁や景観になじむ、落ち着きのあるたたずまいを演出する。
 同製品のデザインへの評価は高く、世界3大デザイン賞のひとつである「iF DESIGN AWARD 2018」を受賞したほか、「2017年度 グッドデザイン賞(グッドデザイン・ベスト100)」、「第19回 JIDAデザインミュージアムセレクション」などを受賞している。
 同社では、「住宅との調和」や「シンプル・フラットでノイズレス」のほか、紫外線や熱線を大幅カットできる機能性、シンプル構造による施工の簡便性といったメリットを打ち出し、カーポート市場拡大につなげていく方針だ。

 

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