2018/06/15

西友 最高経営責任者代行 ミッチェル・スレープ
ネットスーパーと実店舗の両輪で成長

2008年4月に西友(東京都)が米ウォルマート(Walmart)の完全子会社になってから約10年がたつ。同社は他社に先駆けてネットスーパー事業を開始するなど、先進的な取り組みを続けてきた。西友は今後、どう成長していくのか。今年2月にCEO代行に就任したミッチェル・スレープ氏に聞いた。

聞き手=阿部幸治 構成=髙浦佑介(以上、本誌)

重点施策はネットスーパー、楽天との提携も順調

──2017年を振り返るとどのような年でしたか。

スレープ まず、18年はウォルマートが西友を完全子会社化して10年の節目の年です。この10年間、西友は売上高を伸ばし続けました。また、直近4年間は既存店売上高もプラス成長を続けています。

ミッチェル・スレープ 1967年8月16日生まれ。カンザス州ウィチタ出身。ウィチタ州立大学卒業後、サンダーバード国際経営大学院にて国際マネジメント修士号取得。1995年米ウォルマート(Walmart)入社。国際部門の不動産・建築エリアを担当。その後、M&A、業態開発、店舗運営などの要職を歴任。その間、アルゼンチン、韓国、メキシコ、インドに赴任。2015年西友COO就任。2018年2月、西友およびウォルマート・ジャパン・ホールディングスCEO代行(現職)

──とくに重点的に取り組まれたのは何でしょうか。

スレープ ネットスーパー事業です。配送センターを効率的に活用することで、ネットスーパー事業を伸ばしてきました。この事業が成長したことで、既存店売上高にもプラスの影響を与えています。

 今年の下半期には楽天(東京都/三木谷浩史会長兼社長)との提携で、「楽天西友ネットスーパー」という新たなビジネスも始まります。こういった取り組みはすべて17年から種をまき始めていました。

──今年1月に楽天との提携を発表されましたが、その後の進捗はいかがですか。

スレープ とても順調に進んでいます。下半期に楽天西友ネットスーパーを開始するという、従来の予定通りに進んでいます。

西友と楽天は考え方が似ており、われわれはともに国内ネットスーパーのリーディングカンパニーをめざしています。

──ネットスーパー事業はどういった顧客層をターゲットにしていますか。

スレープ 幅広いお客さまにご利用いただきたいというのが目標で、とくに性別、年齢は限定しておりません。

楽天西友ネットスーパー 18年1月、楽天との提携を発表。下半期から「楽天西友ネットスーパー」を開始する

 ネットスーパーは西友の中でも急速に成長している事業です。潜在的な可能性として、どこまで成長できるのかというのを見極める必要があります。

──ネットスーパーと実店舗の今後の投資バランスについてはどのように考えていますか。

スレープ バランスよく、両方に投資する予定です。われわれが想定しているよりも、日本でネットスーパーの普及が早ければ、ネットスーパー事業への投資の比重を重くします。お客さまのニーズを見ながら、それに合わせて投資する予定です。

──将来的にネットスーパーと実店舗の売上高の比率はどのようになると思いますか。

スレープ 今は圧倒的に実店舗が多い。ネットスーパーは開始してからまだ日が浅いからです。ですが、ネットスーパーの伸び率は非常に大きい。今、小売業界がこれまでにないくらい大きく変わっています。

新店よりも既存店改装、EDLPをさらに深める

プライスロック 3カ月間価格を変えないという「プライスロック」。対象商品を拡大し続けている

──今後の出店戦略について教えてください。

スレープ 新店はチャンスがあれば出したいと考えています。しかし、現在は未来の新しい西友を既存店の中でつくるために、改装に力を入れています。全店舗を対象に、店舗の若返りを図っており、毎年、大小合わせて30~40店舗を改装しています。前期は大森店(東京都品川区)、ひばりが丘店(東京都西東京市)などをリニューアルしました。改装によって、客層も広がるし、来店頻度も高まり、1人当たりの買い上げ点数も上がります。

──店舗事業で好調だったものは何かありますか。

スレープ 生鮮食品です。西友は、品揃えの最適化を図りながら、品質をよりよくしていく取り組みを進めています。とくに、青果、畜産の数字がかなり伸びています。

 これができるのは、「アンガスビーフ」のように、ウォルマートのグローバル調達網を活用して、スケールメリットで高品質の商品を安く仕入れられるような、もともとすぐれた商品があるからこそできる施策です。

 世界中を見ても、生鮮食品はネットスーパーと同様、ウォルマートグループ全体で成長している分野です。

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