2019/01/15

キリンビール株式会社 執行役員 マーケティング本部長 石田明文氏
商品開発から広告、売場まで一気通貫のマーケティングでブランドの価値を伝えていく

キリンビール株式会社 執行役員 マーケティング本部長 石田明文氏

 

「キリン一番搾り生ビール」の好調に加え、「本麒麟」の大ヒットによって、2018年は市場を大きく上回る伸長率の達成を見込むキリンビール。1年を振り返りながら、成功の要因に迫るとともに、今年度に向けた取り組みを、キリンビール株式会社 執行役員 マーケティング本部長の石田明文氏に聞いた。

 

主力ブランドを筆頭に2018年はねらいどおりに達成

 

――まずは、2018年の酒類市場を振り返っていかがでしたか。

 

石田 ビール類市場は全体で前年比マイナス2~3%で着地しましたが、RTD市場は2ケタ増を達成しました。ここ数年のトレンドと変わらない結果ですね。このあと2020年、23年、26年と酒税改定が行われますが、RTDは26年まで税額が変わらないこともあり、この流れは継続、あるいは加速するだろうとみています。

 

 ビール類はボリュームベースでいえば、最盛期の70%程度にまで減少していますが、一方でクラフトビールは、構成比は少ないものの、ここ数年で倍増しています。つまり、お客さまは価格に対してシビアですが、価値を感じられるものには購入を惜しまない。したがって、どれだけ価値を伝えきることができるか。当たり前のことですが、非常に大事なことだと思っています。

 

――御社においては、どんな1年だったでしょうか。

 

石田 一昨年の秋にフルリニューアルをした「キリン一番搾り生ビール(以下、一番搾り)」が引き続きのご好評をいただき、特に缶製品は大幅前年超えで好調に推移しました。今年で発売30年目を迎える「一番搾り」は、われわれのものづくりに懸ける思いを体現したフラッグシップブランド。キリン独自の一番搾り®製法でつくられたビールのすばらしさを、広告だけでなく、店頭からも発信し続けてきた結果だと思っています。

 

 この好調をベースに、新ジャンルでは1月に発売した「キリン のどごし STRONG(ストロング)」と3月に投入した「本麒麟」が大ヒットし、さらに6月にブラッシュアップした「キリン のどごし〈生〉も好調に推移しその結果、 6~8月の最盛期において、ビール類市場が縮小傾向にあるなか、ビール類計で2桁増で駆け抜けることできました。

 

――ビール類は大成功を収めたということですね。RTDなどほかの酒類はいかがでしたか。

 

石田 まずRTDですが、フラッグシップブランドの「氷結®」ブランドが堅調に推移しました。そのうえで「本搾り™」シリーズが2ケタ増を達成。さらに、 4月より発売開始した「キリン・ザ・ストロング」シリーズが上乗せしました。当初予定していた年間販売目標の約1.5倍を達成し、「キリン 氷結®」の発売以来、17年ぶりの大型新商品となりました。

 

 また、ウイスキーも国産ブランドに加え、「ホワイトホース」や「ジョニーウォーカー」といった輸入ウイスキーも非常に好調で、ウイスキー全体で109%の伸びを示しています。また、 8月に「キリンウイスキー 富士山麓 Signature Blend シグニチャーブレンド」を発売しましたが、高価格帯であるにもかかわらず、計画比120%で推移しております。

 

 結論として、2018年はねらいどおりに達成することができました。

 

満を持して投入した自信作「本麒麟」が大ヒット

 

――昨年は新ジャンルの「本麒麟」が話題を集めました。

 

石田 弊社には新ジャンルカテゴリーの主力商品として「のどごし」ブランドがありますが、これは“ゴクゴク飲める爽快な味わい”を追求したものです。これに匹敵する太いニーズの、“ビールらしいコクのある味わい”を追求した新ジャンルを育成したい。そんな思いから、これまで10を超えるブランドを立ち上げ、チャレンジしてきましたが、なかなか定着させることができませんでした。その理由をすべて振り返ったうえで生まれたのが「本麒麟」です。

 

 手前味噌になりますが、お客さまからは「ビールと比べても遜色のない味」という評価をいただいています。「本麒麟」というネーミングは、まさにわれわれの本気度を示すもの。ブランドカラーを使った上質感にあふれた深紅のパッケージも然り。自信作であることを体現しています。

 

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