2018/02/15

ビオセボン・ジャポン 代表取締役社長 土谷美津子
「ふだん使い」確立し、オーガニック食品市場を拡大させる

イオン(千葉県/岡田元也社長)傘下で、オーガニック食品を中心に扱う食品スーパー(SM)のビオセボン・ジャポン。日本で1号店を出店してから1年あまりが経過した。日本のオーガニック食品市場をどう開拓していくのか。土谷美津子社長に聞いた。

聞き手・構成=大宮弓絵(本誌)

リピーターが約7割、青果の売上が好調

──2016年12月に1号店「Bio c’ Bon(ビオセボン)麻布十番店」(以下、麻布十番店)をオープンしてから1年あまりが経過しました。利用者の反応はいかがですか。

 

つちやみつこ
つちや・みつこ●1963年生まれ。86年4月ジャスコ(現イオン)入社。06年5月同社執行役。07年3月グループお客さま担当兼ブランディング部長。08年5月常務執行役。08年8月執行役グループ環境最高責任者。10年5月イオンファンタジー代表取締役社長。13年3月イオンリテール専務執行役員食品商品企画本部長。13年5月、取締役兼専務執行役員食品商品企画本部長。16年6月ビオセボン・ジャポン代表取締役社長就任

土谷 おかげさまで売上は右肩上がりで伸びています。開店からしばらくの間は、オーガニック食品を中心に扱うSMという話題性や珍しさから来店される方がほとんどでした。しかし、最近はふだん使いの店として、日常的に利用してくださるお客さまが増えています。会員カードの分析では、利用者の中心は子育て中の主婦をはじめとした若い世代です。また、カード会員全体の約7割がリピーターになっています。

 とくに売上が好調なのが青果です。青果の売上高構成比は、開店直後は全体の5%未満でしたが、現在は20%近くまで伸長しています。

 最近は、天候不順による野菜の相場高がオーガニック野菜の売上をさらに押し上げています。オーガニック野菜は市場を介さず、生産者と販売者が直接売買する相対取引で価格が決定されます。天候不順による生産量の減少はオーガニック野菜の生産者も同じ状況です。しかし、当社と契約している生産者は、消費者にオーガニック野菜を手に取ってもらえる好機ととらえ価格を上げていません。そのためオーガニック栽培と慣行栽培の野菜の価格差が小さくなっており、オーガニック野菜を購入するお客さまが増えています。

 

ビオセブン麻布十番
2016年12月に開店した1号店「ビオセボン麻布十番店」
売上好調な青果売場。とくに色味が鮮やかな野菜が支持されている。トマトやニンジン、じゃがいもなどのベーシックな商品は量り売りも行っている

──どのように顧客の支持を獲得していったのですか。

 

土谷 開店前から仏ビオセボン社からは「青果が支持されなければ固定客がつかない」と言われていました。そこで、青果の売上を伸ばすため試行錯誤を重ねました。

 まず取り組んだのは、取扱品目数の拡大です。開店時は約200品目ほどでしたが、現在は2倍以上に拡大しています。

サラダセット
人気商品の1つ「柴海農園サラダ野菜セット」。西洋野菜のルッコラやカステルフランコなど、彩り豊かな野菜が詰め合わせになっている

 次に、売上動向に応じて品揃えも変えました。当初は一般のSMの品揃えを提供していましたが、現在はそれにこだわらず、一般のSMで見かけないような野菜も揃えています。よく売れるのは、サラダ野菜です。品揃えの拡充や鮮度管理の向上などにより、お客さまに支持していただけるようになりました。たとえば、西洋野菜のルッコラやカステルフランコなど、彩り豊かな野菜を詰め合わせた「柴海農園サラダ野菜セット」は人気商品の1つです。生のまま食べる野菜や、イチゴやレモンなどの皮ごと食べる果物は、オーガニックにこだわるお客さまが多いようです。

 

──店頭での販促で工夫していることはありますか。

 

チーズ
カウンターではフランス直輸入のチーズを販売。おいしさを知ってもらうため店内ではつねに試食を提供している

土谷 SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)での情報発信や、接客、店舗でのワークショップの開催に力を注いでいます。

 SNSでの情報発信については、商品情報を提供することはもちろん、店内での写真撮影ができるようにし、お客さまに当店の情報を発信してもらえるようにしています。

 接客については、商品の特徴だけでなく、生産過程でのこだわりや商品のストーリーも伝えられるようにしています。そのため、従業員が生産者のもとで商品について学ぶことも始めました。また、商品のおいしさを知ってもらうことが購入に結びつくと考え、店内ではつねに試食を提供しています。

イートイン
イートインスペースでは、月に1~2回ワークショップを開催している

 店舗でのワークショップは、店内中央にあるイートインスペースを活用して月に1~2回開催しています。内容は、店舗で扱う商品にスポットを当てて、家庭ですぐに実践できる活用方法や、料理レシピなどを紹介します。参加者の募集を開始して早々に定員に達してしまうことも少なくありません。

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