家計の物価観は横ばい圏、景気見通しが悪化=日銀アンケート

2019/01/10 11:30
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1月9日、日銀が発表した昨年12月の「生活意識に関するアンケート調査」(第76回)によると、先行きの物価について「上がる」との回答割合がわずかに上昇したものの、家計のインフレ期待は横ばい圏での推移が続いている。写真は千葉のスーパーマーケットで2014年2月撮影(2019年 ロイター/Yuya Shino)

 

[東京 9日 ロイター] – 日銀が9日発表した昨年12月の「生活意識に関するアンケート調査」(第76回)によると、先行きの物価について「上がる」との回答割合がわずかに上昇したものの、家計のインフレ期待は横ばい圏での推移が続いている。

 

アンケートは11月9日から12月5日にかけて全国の満20歳以上の個人、4000人を対象に実施した。有効回答者数は2113人で、有効回答率は52.8%だった。

 

物価の先行きについて「上がる」と回答した人の割合は1年後が77.5%、5年後が80.8%となり、それぞれ前回調査の76.0%、80.6%から小幅に上昇した。

 

具体的な物価の変化見通しについては、1年後の平均がプラス4.3%となり、前回調査のプラス4.4%から小幅低下したが、それ以外は5年後も含めて平均値と中央値に変化は見られなかった。全体として家計のインフレ期待に高まりはうかがえない状況だ。

 

<1年後の景況感DI、6年ぶりのマイナス幅>

 

また、現在と1年前の景況感を比べた景況感DI(良くなった─悪くなった)はマイナス14.3と前回のマイナス13.3から小幅の悪化となったが、1年後の見通し(良くなる─悪くなる)はマイナス32.0と前回のマイナス17.1から大きく悪化。2012年12月調査以来、6年ぶりのマイナス幅となった。

 

背景について日銀では、調査期間中の株価や7─9月期の国内総生産(GDP)など発表された経済指標が弱めとなったことが影響している可能性があると説明。同アンケートにおける1年後の収入DI(増える─減る)や日本経済の成長力DI(より高い成長が見込める─より低い成長しか見込めない)が悪化していることとも整合的としている。

 

(伊藤純夫)

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