【経済】米11月コア小売売上高0.9%増、景気減速懸念和らぐ

2018/12/17 10:18
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[ワシントン 14日 ロイター] – 米商務省が14日発表した11月の小売売上高は自動車やガソリン、建材、食品サービスを除いたコア指数が前月比0.9%増と、市場予想の0.4%増を上回った。家具や電子製品、その他幅広い項目のモノが好調に売れ、個人消費が勢いを増している兆しを示した。急激な景気減速に関する懸念が一段と和らぐ材料となるかもしれない。

 

 連邦準備理事会(FRB)が18─19日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、今年4回目の利上げに踏み切るとの期待を下支えする内容となった。

 

 11月の中国小売売上高が2003年以来の低い伸びとなり、12月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)速報値が2014年11月以降で最低となったのと対照的だ。

 

 MUFGの首席エコノミストは「この日の統計は、消費者が自信を持っているだけでなく、飲食に支出し景気下支えに十分なほど財を買い求めている姿をFRB当局者らに示すものとなった」と語る。

 

 10月のコア売上高は当初発表の0.3%増から0.7%増へ上方改定された。コア売上高は国内総生産(GDP)の消費支出に最も近いとされる。

 

 11月の底堅いコア売上高は、第4・四半期に個人消費が好調なペースで伸びたことを示唆する。米経済の3分の2以上を占める個人消費は第3・四半期に年率で3.6%増加した。

 

 米国株式相場が大幅安となったことや、一部の米国債の長短金利が逆転したことに伴い景気後退に対する懸念が浮上していた。ただ前日に発表された失業保険申請件数が49年ぶりの低水準に迫ったことで景気への不安が和らいだ。

 

 第4・四半期GDPの予想は約2.4%増だ。第3・四半期は3.5%増だった。

 

 全体の小売売上高は0.2%増にとどまった。ガソリンの値下がりに伴いガソリンスタンドでの売り上げが減った。米エネルギー情報局(EIA)によると1ガロンあたりのガソリン価格は10月と比べて約40セント下落している。

 

 原油は、供給過剰や世界経済の鈍化に対する懸念を背景に10月初めと比べて3分の1程度値下がりしている。

 

 10月の小売売上高は当初発表の0.8%増から1.1%増へ上方改定された。

 

 11月の内訳は、ガソリンスタンドが2.3%減と、2017年5月以来の大幅な落ち込みだった。10月は3.2%増だった。自動車は0.2%増。10月は1.5%増だった。

 

 建材は0.3%減。衣料は0.2%減少し、10月の1.3%増からマイナスへ転じた。外食は0.5%減だった。一方、オンライン小売は2.3%増と1年ぶりの大幅な伸びとなった。10月は0.8%増だった。家具は1.2%増。電子・家電は1.4%増加した。運動・娯楽は0.4%増だった。

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