福知山のさとう 350年経営 「企業は存在し続けなければ意味がない」

 米国トランプ大統領は、証券取引委員会(SEC)に企業の決算発表を四半期ごとから半期ごとに変更した場合の影響を調査するように求めた。

 

 四半期決算の公表は、20093月期以降から、日本企業も金融商品取引法によって義務づけられている。

 

 しかし、四半期決算の率先推進者が、変更検討を開始したのである。

 

「やっぱりな」と胸中で膝を打った方々も少なくなかったのではないか?

 

 現在のアメリカの会計基準は、株主重視。それは当然至極のこととしても、長期目線で企業を育てようというやさしさはまったく感じられないし、経営者にも超短期の業績ばかりのみが求められ、出せない者は、退場を求められる。

いまや大投資家ウォーレン・バフェット氏さえも四半期決算に反対の立場を表明している。

 

 そんなニュースを目にするときに、いつも思い出すのは京都府福知山市に本部を構えるさとう(佐藤総二郎社長)だ。

 

 創業は、1666年。江戸幕府では4代将軍の徳川家綱の時代、フランスではブルボン朝で栄華を極めたルイ14世が君臨。アメリカ合衆国の誕生は約100年後だ。

 

 古着商を皮切りに、呉服商、銀行業、不動産業、衣料品チェーン、そして食品スーパーと時代の変化に応じて業種業態を超え、変化し続けてきた。

 

 「時代時代で変化するお客さまのニーズに対応しながら、自然と事業が変化していったのです」(佐藤社長)。

 

 佐藤社長は、「いくら規模が大きくても、また短期間で成長しても企業が存続しなければ意味がない」と言う。だから「急ぐことはせず、慎重に、そして確実に前進したい」と抱負を語っている。

 

 法律は守らなければいけないもの。そんなことは当たり前だ。

 しかしその法律や規制は十数年単位で時々刻々と変化し、うつろいやすいものであることは歴史的な事実。そんな時代を乗り越えてきた「350年経営」に宿る価値観にこそ学ぶべき点は多いはずだ。