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第1338回

2013年12月30日

セブン&アイ・ホールディングス オムニチャネル所感(3)

千田 直哉

 ここにきて、7&アイHDは、同じく《オムニチャネル》を推進するイオン(千葉県/岡田元也社長)の存在をより強く意識しているようにも見えます。

 

 過去十数年にわたって、イオンは、続々と大型ショッピングセンターを日本全土に開業しています。

 2013年12月20日に千葉県千葉市幕張に開業したイオン幕張新都心はその最新版です。今やイオンのモールづくりやテナントミックスの妙は日本一と言って過言ではありません。

 

 それもそのはずで、岡田卓也イオン名誉会長は、商業集積時代を見据えて、20年以上前から着々とショッピングセンターづくり、テナントの育成や強化に励み、自社であるいは、M&Aによって、続々と専門店企業をグループに加え、競争力のある商業集積づくりに努めてきたのです。

 

 現在、イオンは、①大都市シフト、②シニアシフト、③デジタルシフト、④海外シフトの4大シフトでグループ全体が動いており、都市型小型店と平行して人口の多い都市部に大型ショッピングセンターの投下を次々と進めています。

 一方の7&アイHDが千葉県千葉市に「Ario(アリオ)」1号店を開設したのは2005年のこと。その後も、魅力あるショッピングセンターづくりに励んでいますが、イオンとの比較では、少し遅れてしまったかなという印象を拭うことができません。

 ショッピングセンターの魅力は、核店舗はもちろんですが、テナント配置やテナントミックスもまた重要な要素です。7&アイHDの専門店企業に対する積極的M&Aの理由のひとつは、その魅力づくりのためという見方もできます。

 しかも、流通業界大再編が間もなく起こるかもしれないという時に、もたもたしていたら、良い企業はほとんどどこかの系列に入ってしまいます。都市銀行の再編がそうであったように、再編は先手必勝の世界です。提携される前に提携してしまえという考え方があるような気がします。

 

 これから訪れるかもしれない《オムニチャネル》時代は、リアル店舗やバーチャル店舗の境目がなくなるわけです。

 つまり、リアルの強化とは、バーチャルの強化と同義であり、それが《オムニチャネル》の強化に直結するわけです。

 

 そこから推測するに、7&アイHDの《オムニチャネル》は、「いつでも、どこでも」だけでは終わらないように思えます。

 これに加えて「なんでも」。実際、現在、7&アイHDでは300万点の商品購入を可能にするプロジェクトチームが立ち上がっています。

 アマゾンが掲げる「地球最大の品揃え」の実現をアマゾンよりも速度を上げ、目指し、動いているように見えます。

 

 もはや、競争相手は国内だけではありません。

 海外企業との競争はネット時代の宿命です。

 そのことを視野に、「いつでも、どこでも、なんでも」のショッピング体験を具現化すべく《オムニチャネル》化を進めている7&アイHDの動きに、2014年も注目です。

 

 

※2014年1月7日追記:本日、7&アイHD傘下のセブン&アイ・ネットメディア(東京都/後藤克弘社長)がセブンネットショッピング(東京都/鈴木康弘社長)を吸収合併するという発表がありました(3月1日付)。セブン&アイ・ネットメディアが7&アイHDに直接ぶらさがることになります。オムニチャネルの中心的な役割を担う会社を明確にし、戦略を強力推進するものと思われます。なお、社長などの人事については、現在は未定とのことです。
 

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