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第1318 回

2013年12月3日

これじゃあ、きっと儲からない

千田 直哉

 ヤマダ電機(群馬県/山田昇社長)のサービスが凄すぎる。

 

 冷蔵庫が壊れたので、購入するためにヤマダ電機に行った。商品を物色して当たりを付け、従業員の方に「これが欲しい」と言うと、何を思ったか、その方はスマートフォンをチェックし始めた。

 どうやら、「価格.com」のサイトに行ったようだった。

 

 十数秒後、「この機種の最安値は●円で、当店の表示価格よりも●円安いですから、このプライスから値引きさせていただきます」と問わず語りで言い、実際に安く販売してくれた。

 

 周知のように、現在、流通業界には、家電専門店を中心に「ショールーミング」旋風が巻き起こっている。

「ショールーミング」とは、リアル店舗に行き、商品の現物を確認して、スマートフォンなどでEコマース上の最低価格を調べて、店舗内から最安のサイトに発注し、購入するというものだ。

 

 ただ、いくら「ショールーミング」対策と言っても、従業員が率先して、最安値を呈示してくれる事態を前に、感激するよりは、行き過ぎていないか、と心配になってしまった。

 

 サンプル数がたったひとつなので、ヤマダ電機の全店舗で、このサービスを行っているかは定かではないし、1人のお客たりとも売り逃がししたくない従業員の方の気持ちはわからなくはない。また「最安値保証」を宣言しているのも知っている。

 

 しかし、そのことを承知の上で、お客が納得して、「これが欲しい」と言ったのだから、あとは自己責任でもいいような気がする。

 

 そして、もし、このような商売が定着するようであれば、きっと家電販売業界は、お互いに利益を潰しあって、永遠に儲からないビジネスと化してしまうに違いない。
 

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